ブイキューブとアステリアは4月15日、バーチャル株主総会において、「報告聴講」「質問」「議決権行使」を両社が協業してワンストップで実現すると発表したが、6月の株主総会集中期を前に、4月22日、バーチャル株主総会における法令解釈のポイントと実際の開催における注意ポイントを解説するオンラインセミナーを開催した。
バーチャル株主総会における実務上の留意点
セミナーでは実務上の留意点について、三菱UFJ信託銀行 法人コンサルティング部 株主戦略コンサルティング室 コンサルティンググループ 佐久間大輔氏が解説した。
株主から見た場合のバーチャル株主総会(参加型)に関する一連の流れとしては、招集通知を受け取って、テストサイトで動画視聴のテストを行い、当日視聴という流れになるという。
「テストサイトを用意しないと、当日、視聴できなかったというトラブルも考えられる。テストサイトの設置は重要になる」(佐久間氏)
バーチャル株主総会(参加型 )のメリットとしては、開かれた株主総会をアピールできる、株主の新型コロナウイルス感染リスクの低減、先進的な企業イメージの醸成、遠地株主の株主総会参加・傍聴機会拡大などがあるが、デメリットとしては、追加コストの発生、株主総会模様を二次利用される可能性などがあるという。
主催者側の準備としては、事前の会場確認、サービス提供者との契約締結契約締結、資料準備、インフラ構築、会場設置があるが、会場のインフラ環境、招集通知/議長シナリオの作成のところがポイントになるという。
会場のインフラは、専用の回線を利用することが前提となるが、予備の回線を準備することが重要になるという。
招集通知では、通信費が株主負担になるという注意事項、新型コロナウイルス感染によるリアル会場の利用不可の可能性などをの記載することがポイントだという。
議長シナリオでは、開会時に出席株主へのプライバシー配慮、ライブ配信視聴者への注意事項を説明することや、質疑応答時に発言内容がライブで音声配信されることを通知するなどが重要だという。
本番時には、ID・パスワードがわからないなどの問い合わせに対応する専用窓口の設置が、参加型の場合は質問はできないので、メッセージ投稿の機能を質問ではなく、メッセージと表現するなどの工夫、通信障害のなどのトラブルに備えて、関係部門との連絡方法、議長への伝達方法も決めておくとよいほか、オンデマンド配信を準備しておくとよいとした。
実務面の論点として、質疑応答時の質問受付時間/質問回数/文字数等の制限やコピー&ペーストの制限などのシステム対応必要なほか、多くの質問の中からどれを採用するのか選びやすくするために、投稿者がプルダウンで質問の項目を選んで質問するようにしておくと作業しやすいという。
議決権行使では、事前投票との紐づけ、前日議決権を行使した株主が、当日も行使した場合、最新の行使結果を“正”とする機能もポイントだという。