電力変換用高耐圧IC専業の米Power Integrationsは、GaNベースの新しいスイッチング電源用IC「InnoSwitch 3-MXシリーズ」を発表した。ヒートシンクなしで最大75Wの連続出力電力でディスプレイおよびアプライアンスの電源アプリケーションをサポートするという。

同製品は、定電圧および定電流LEDバックライトドライバ設計における全体効率を91%に向上する独自のシングルステージ電力アーキテクチャを採用し、従来品を用いた設計に比べてディスプレイ機器の効率を50%削減することを可能としている。

また、降圧型/昇圧型レギュレータが不要となるなど、テレビやモニターの設計において、部品数を半減でき、信頼性の改善ならびに製造コストの低減を図ることができるようになるともしている。さらに、750Vの耐圧性能とコントローラのInnoMux ICによって各出力の負荷要求を個別に計測し、各出力に適切な電力を供給するように制御することで、電流や電圧の正確なレギュレーションを実現できるため、電源電圧が不安定な地域でよく生じる過電流や電圧変動などにも耐性が得られるという。

なお、同シリーズの3製品(INN3478C、INN3479C、INN3470C)はすでにサンプル出荷を開始しており、1万個注文時の価格は2.52ドルからとなっている。

  • InnoSwitch 3-MX

    GaN技術を活用することで75W出力に対応したスイッチング電源IC「InnoSwitch 3-MXシリーズ」のパッケージイメージ