ブイキューブとアステリアは4月15日、バーチャル株主総会において、「報告聴講」「質問」「議決権行使」を両社が協業してワンストップで実現すると発表したが、6月の株主総会集中期を前に、4月22日、バーチャル株主総会における法令解釈のポイントと実際の開催における注意ポイントを解説するオンラインセミナーを開催した。
ハイブリッド株主総会の中継に向けては、ブイキューブが中継用のスタッフを現場に配置し、フルサポートで行う「SCP」(Shareholders meeting Contingency Plan(株主総会コンティンジェンシープラン))というサービスを今年の2月から提供している。このサービスでは配信機材、スタッフの手配、派遣・配信システムの提供を行う。バーチャル株主総会ではこのサービスを利用する。
議決の行使や質問に関しては、アステリアがブロックチェーンを利用した仕組みを提供している。
バーチャル株主総会のライブ配信
ハイブリッド株主総会のライブ配信には、SCPではV-CUBEセミナーというサービスを利用する。V-CUBEセミナーでは、チャット/アンケートによる双方向によるコミュニケーションが可能だ。SCPでは、配信方式提案と決定、実施会場の提案、プロジェクト進捗管理シートの作成と実際の進捗管理、会場の回線/機器構成の調査と配信構成の決定等を行い、当日、スタッフ1~3名で対応する。
今年の3月25日に開催した同社のバーチャル株主総会では、会場に14人、オンラインで120人が参加したという。
V-CUBEセミナーでは、端末にソフトをインストールする必要はなく、ブラウザのみで参加できる。通常は、株主総会の招待状にURLやQRコードを印刷して送付し、株主はそれをクリックあるいは読み込むことで参加できる。V-CUBEセミナーでは、最大で同時に2万拠点まで対応するという。
ブイキューブ 代表取締役 間下直晃氏は、「日本で2万人が参加する株主総会はないので、すべての総会をサポートできるのではないかと思っている」と語る。
株主からの質問はV-CUBEセミナーのチャット機能を利用して行い、運営側にしか見えない形で運用可能で、議決権行使はアンケート機能を活用する。
6月の株主総会にバーチャル株主総会を開催する場合は、下旬であればシステム的には6月中旬の決定でも間に合うが、召集通知のことを考えるとGW明けまでに契約する必要があるという。ただし、集中日の場合は、早めの決定する必要があるという。
ブロックチェーンによる、株主投票と株主質問のしくみ
アステリアが提供する株主投票と株主質問については、森一弥氏が、ブロックチェーンによる、議決権?使(株主投票)と株主質問のしくみを説明した。
同社の提供する議決権行使のシステムは、株主に送付された招集通知に記載された、ログインIDとパスワードによってPCやスマホなどでログインする。ブロックチェーンに投票結果を書き込むことで、主催者であっても改ざんできないようにしている。時間制限も可能で、事前投票のみ、株主総会当日のみとった制御が可能だという。ブロックチェーンを利用しているが、システムの投票結果は数秒で判明するという。
株主質問も、議決権行使と同様に、招集通知に記載された、ログインIDとパスワードによってログインする。結果は議案ごとにGoogleのスプレットシートに書き込まれ、主催者側だけがアクセスできるように設定できる。質問の件数や時間もコントロールできるという。