半導体市場動向調査会社である米IC Insightsは、2020年のIC出荷数量が前年比3%減になるとの予測を発表した。2019年のIC出荷数量(確定値)は前年比6%減であったから2年連続して減少することになりそうだが、もし2年連続の減少となれば、同社が統計を取り始めた1980年以来初めてのことになるという。
2013年以降のIC出荷数量は、2013年が同8%増、2014年が同9%増、2015年が同5%増、2016年が同7%増、2017年が同15%増、2018年が同10%増と順調に成長を続けていた。しかし、半導体メモリバブルの崩壊とともに2019年は同6%減と減少に転じていた。ちなみにICの出荷数量が前年比で減少となったのは同社の統計開始以降で2019年、2012年、2009年、2001年、1985年の5回のみである。
このうち、2年(1985年および2001年)は、2桁の落ち込みとなったが、その前年の1984年および2000年にはそれぞれ同50%増、同27%増と大きく伸びており、在庫の増加に拍車がかかった結果、翌年にIC出荷数量が減ってしまった結果であった。
2009年は、前年の2008年の伸びが同2%増と少なかったため、過剰在庫にはならなかったものの、いわゆるリーマンショック後の世界的な景気後退が生じ、電子機器の販売にマイナスの影響を与えた結果、同7%減となった。これは過去3番目の減少率となっている。
IC Insightsによると、2020年のIC市場は、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大により2020年4月下旬の予測では、金額ベースで同4%減、IC出荷数量も同3%減との予測であり、ウイルスによって引き起こされたパンデミックが、これほどまでに半導体産業に影響を与えることはこれまでなかったことであり、こうした史上初の2年連続減少という現象が起こる可能性も考慮しなければいけないとしている。