マクニカは4月27日、製造業が目指すべき次世代スマートファクトリの実現をサポートする新ソリューション「Digital Synergy Factory.macnica.ai(Digital Synergy Factory)」の提供を開始したことを発表した。
同社は、数年前からAI(人工知能)を活用したビジネスを顧客の自動運転やヘルスケア、サービスロボットなどの分野へ適用を目指す新事業「macnica.ai」というブランドを展開してきた。Digital Synergy Factoryは、「macnica.ai」ブランドのサブブランドという位置づけで、製造業におけるスマートファクトリの実現に向けた支援を行ってきた200件の実績やノウハウをベースにして新たなサービスとして体系化したものとなっている。
具体的には、スマートファクトリのデータ利活用は最初の段階が一番難しいという知見をもとに、その最初に立ちはだかる壁を最小化することを目指し、それぞれの工場などで必要な技術やサービスをパッケージ化して提供するソリューションとしたとする。
「フィードバックループが回るまで効果が上がってこないので、期待とのギャップ効果が生じ、本当にうまくいっているのかが心配になる。Digital Synergy Factoryは、この最初の壁を最小化するべく生み出されたもの」(マクニカ インダストリアルソリューション事業部 事業部長の阿部幸太氏)とのことで、顧客がやりたいことを簡単/迅速に実現することを目的に、業務/工程の課題別にサービスをモジュール化して提供することとしたという。
また、「やりたいことをできる化した後も、継続的に発展展開したいというニーズもあり、それをモジュール化することで、容易に実現できるようになる」とモジュール化して提供することを決めた背景には、こうしたもう1つの理由もあると説明する。
さらに、顧客の業務工程、課題別にモジュール化サービスを提供していくこの手法がいままで提供できなかった理由について、「他社がやってこなかった理由はやりたいことに対して、必要な技術要素がデータの取得方法、分析手法、セキュリティなどの統合と複数にわたり、それを作りこんで提供する必要があったから。我々も200件の実施実績による知見と技術、ノウハウを身に着けるまでできなかった」と説明。マクニカとして200件の実績を積み重ねてきたことが今回のサービス提供につながったことを強調する。
なお、サービスの提供形態は月額制で、ハードウェア、ソフトウェア、サポートなどをベーシックメニューとして提供する。またベーシックで提供できない部分はオプションとして拡張サービスを用意することで、ベーキックメニューでできないこともこれまでの知見とノウハウを活用して対応していくとしている。
サービス開始当初は3つのサービスが提供され、以降、順次提供するサービスモジュールの数を増やしていく予定で、2020年度中に10個以上のモジュールを提供したいとしており、その後も順次提供モジュールの数と案件数の増加を進めることで、2025年ころまでに売上高150億円規模を目指すとしている。