米エクイニクスは4月21日(現地時間)、日本国内にハイパースケラー向けのデータセンター(DC)を開設し、その運営を行うためシンガポールの政府系ファンドであるGICとリミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ(Limited Liability Partnership:LLP)形態による初期投資額10億USドル超規模の合弁契約を締結したと発表した。

同社では、このようなDCをxScaleデータセンターと位置付けており、今回の合弁事業のもと東京に2カ所、大阪に1カ所の合計3カ所のDCを開設し、運用を開始する。稼働開始する3カ所のDCは、フル稼働時に138メガワット(MW)の電力量を東京および大阪市場において提供を予定。

これにより、Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloud Infrastructureはじめとするハイパースケーラーを顧客とし、特有のコアワークロード導入の需要に応えていく。

ユーザーはxScaleデータセンターを活用することで、同社が提供するプラットフォーム上に設置している自身のアクセスポイントにコアワークロードを追加することが可能となり、世界55の都市圏に展開する同社の単一プラットフォーム上で、数多くのエコシステム、顧客や戦略的ビジネスパートナー間とのインターコネクションによる直接接続を通して、ビジネスを推進することができるという。

ハイパースケーラーの持つ技術的また運用上の要件、またコアワークロード導入のための価格要件に対応した設計がされており、コアワークロードとアクセスポイントを単一のグローバルプロバイダー上に統合し、ビジネス成長に伴う設備展開を合理化・簡略化することを可能としている。

合弁契約に基づき、両者はそれぞれ80%と20%の比率で合弁事業の資本持分を保有し、合弁契約は法令などに基づく承認および、そのほかのクロージング条件の充足を条件として、2020年下半期に完了する見通し。

合弁契約のクロージング時には、GICは現金出資で合弁事業の80%の資本持分を取得する予定。エクイニクスは、東京のTY12および大阪のOS2と仮称しているサイトに関する建築中の諸資産と、東京に新たに開設する予定のDCの諸権利を合弁事業の資本持分20%の引受と差分の約1億USドルの支払を受けることと引き換えに、合弁会社に譲渡する予定だ。

さらに、合弁事業のための資金調達も2020年下半期に完了する見通しであり、資金調達はコミットメントライン型タームローンと、リボルビングクレジットファシリティで構成されるもよう。

コミットメントライン型タームローンで調達した資金は、合弁会社からエクイニクスに支払われる建築中のTY12とOS2の諸資産の譲渡代金に加え、これらデータセンターに関し実施される予定の開発工事および建設費用の一部に充てる見込み。リボルビングクレジットファシリティの調達資金は、合弁事業の運転資本、そのほか一般的な企業活動に充てられる見込みとなっている。

なお現在、同社は国内に13拠点のInternational Business Exchange(IBX) DCを展開し、従業員数は500人以上。