オートメーション・エニウェア・ジャパンは4月22日、記者説明会を開催し、RPAプラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」と、AI ソリューション「IQ Bot」の新機能を紹介した。
「Automation Anywhere Enterprise A2019」は2019年10月にリリースされて以来、「インテリジェントオートメーション プラットフォーム」というコンセプトの下、さまざまな機能拡張が図られている。最新バージョンは2020年3月30日にリリースされた「Automation Anywhere Enterprise A2019.11」だ。
セールスエンジニアリング本部 シニアマネージャーの岩名健二氏は、「Automation Anywhere Enterprise A2019.11」の特徴として、「他社製AIとの連携」「各種API連携コマンド」「Interactive Forms」を挙げた。
具体的には、他社製AIと機能連携させ るための「アクション」(データのやり取りをするためのコネクタ)を用意し、その種類を拡充した。4月時点で Amazon Web Services、IBM、Google、Microsoftなどさまざまなベンダーが提供するAIと接続して機能を利用できる。
岩名氏は、「他社のAIと連携するコマンドがないと、各AIサービスのAPIを勉強しなければならない。例えば、ブラウザで使うG Suiteの場合、スプレッドシートをRPA化するのは大変であるため、APIがあると簡単にできる」と述べた。
APIを連携する際のセキュリティも配慮されており、A2019に組み込まれているCredential Vaultが利用可能になっている。Credential Vaultがないと、全社で利用しているクラウドサービスの管理者のみが入手できるキーをRPA管理者に共有しなければならない。
「Interactive Forms」は、定型入力フォームを RPA プロセスの中で作成するもの。「Interactive Forms」で処理や判断の選択肢を作成して自動化プロセスの中に組み込むことで、Botを止めることなく自動 化が行える。
IQ Botについては、セールスエンジニアリング本部 シニアセールスエンジニア 磯野健彦氏が説明を行った。
IQ Botとは、半構造化/非構造化データをCSVに変換するフレームワークで、帳票の取得、分類、データ化、検証、データ入力までを自動化する。稼働後も、教師あり機械学習による継続的に改善が行われる。 IQ Botでは、クラウド版が提供開始されるほか、連携するOCR エンジンが追加された。クラウド版が提供開始されることで、 IQ Botの導入オプションが増える。これまで社内パソコンへのインストール、自社クラウド上からの利用、他社製クラウドサービス上から利用できたが、同社のクラウドサービスとして利用できるようになる。
クラウドを利用するにあたっては、セキュリティが懸念事項となるが、テナントごとにデータベースやフォルダが構成されることで、 セキュリティを確保しているという。
当初、IQ Bot クラウド版では、オンプレミス版と比べ、「利用できるOCRエンジンはABBYYのみ」「カスタムロジック機能が利用できない」「24時間当たりの処理は2万5000ページ」という制限がある。これらの制限は将来のリリースで解消される計画だという。
OCR エンジンについては、5月下旬からOCR「Google Cloud Vision」と、夏頃から手書きOCR「Tegaki」(Cogent Lab製)と連携する予定。