シスコシステムズは4月21日、アプリケーション性能監視(APM: Application Performance Management)のAppDynmaicsにおいて、アプリの経路をダッシュボード上に表示し、それぞれのポイントでの性能を表示する「AppDynamics Experience Journey Map」(アップダイナミクスエクスペリエンスジャーニーマップ)機能の国内提供を発表した。
この機能はアプリケーションの経路を辿って追従し、ダッシュボート上に表示。また、どのステップでボトルネックや障害が発生しているかを表示する。
AppDynmaicsは、2014年に日本法人を設立し、2017年3月にシスコが買収した。
シスコシステムズ アップダイナミクス事業 カントリーマネージャー 内田雅彦氏は、「AppDynmaicsはこれまでは、何か障害があった場合にアラート出すという機能を提供していたが、今後はACIなどとも連携し、その情報をもとに帯域を自動的にコントロールするような企業システムの中枢神経を担うCNS(Central Nervous System)を目指している」語った。
シスコシステムズ 代表執行役員社長 デイヴ・ウェスト氏は「AppDynamicsはEnd to Endの可視化を提供するアプリケーションのパフォーマンス管理の製品だ。いままさに、満を持して日本市場に投入しようとしている。そのために日本化対応、共同マーケティング、営業、パートナー企業の共同支援を行っている。今後、さらに日本市場に積極的に投入していきたい」と述べた。
日本語化については、これまでドキュメントとWebページの日本語化を行ってきたが、新たにテクニカルサポートセンターを開設し、平日午前9時から午後5時まで日本語のサポート専属チームによる技術支援を提供する。なお、UIの日本語化は今後取り組むという。
また、AppDynmaicsの拡販に向け、AppDynmaicsの最大100エージェントの本番環境用ライセンスを無償貸与すると発表した。同日より申込受付を開始し、2020年7月31日までライセンスは有効となる。
内田氏は「(無償の)3カ月があれば、現在のボトルネックの課題を発見でき、対処はできる」と語った。
内田氏は、企業システムの中枢神経を担うCNS(Central Nervous System)を目指すと語ったが、同日、その1つとして、クラウドベースのインフラストラクチャ管理機能を提供する「Cisco Intersight」と、AppDynmaicsとの連携機能も発表した。
それは、「Cisco Intersight」の中でサーバ、ストレージ、ネットワークなどを分析・可視化する新機能である「AppDynamicsとCisco Intersight Workload Optimizer」に、AppDynmaicsの情報も連携される。これによって、アプリのパフォーマンス情報によって、インフラの増強や削減などのインフラの最適化を行うことが可能になるという。具体的には、最適化のプランを提案するという。その情報を各自動化ツールと連携することで、自動制御が可能になるという。
なお、「AppDynamicsとCisco Intersight Workload Optimizer」は、近々利用可能になるという。
シスコシステムズ 執行役員 データセンター/バーチャライゼーション事業担当 石田浩之氏は、「今後はACIのほかに、SD-WAN、セキュリティとの連携も予定しており、アプリの動きに連動してダイナミックに最適化できるようになる。そうなれば、よりシスコの強みを発揮できる」と述べた。
コンテナプラットフォーム「Cisco HyperFlex Application Platformは」も発表
同日は、コンテナ環境にフォーカスしたオンプレミス向けアプリケーションプラットフォーム「Cisco HyperFlex Application Platform」も発表した。
「Cisco HyperFlex Application Platformは」、HyperFlex HCI上に同社が独自開発したハイパーバイザーを載せ、その中でkubernetesを動作させる。また、モニタリング・テレメトリー、マルチテナント、ライフサイクル管理などのツールなどもパッケージにして提供する。
Webexのユーザーは2カ月で6倍以上に
記者発表でデイヴ・ウェスト氏は、テレワークの普及に伴って、Webexのユーザーが大幅の増加していると明らかにした。
「事業継続にはWebexミーティングなようなアプリが欠かせないものになっており、ここ数カ月、重要性がより高まっている。Webexは2月には67万件のミーティングが開催されていたが、3月には150万回、4月は200万回のミーティングが開催されている。ユーザーは、2月は120万ユーザー、3月には480万、4月は途中だが810万のユーザーが会議に参加している」(デイヴ・ウェスト氏)