2020年の半導体設備投資は2年連続のマイナス成長の予測
半導体市場動向調査会社の米IC Insightsは、2020年4月16日時点での2020年の半導体設備投資額は前年比3%減になるとの予測を公開した。2019年も前年比で約3%減となっていたので、2年連続のマイナス成長になる見込みである。
2020年の設備投資の大部分はプロセス技術の開発やウェハ生産能力の増大といった長期的な目標に沿ったもので、そのほとんどが計画通りに進むことが見込まれているが、新型コロナウイルスの感染拡大が2020年前半で収束しなければ、現時点で予定されている設備投資の予算が削減される可能性もあるとIC Insightsは指摘している。
設備投資の足を引っ張るのはメモリ分野
2020年の設備投資の足を引っ張るのは、主に3大メモリサプライヤ(Samsung Electronics、SK Hynix、Micron Technology)の設備投資の減額で、3社合計の設備投資額は2019年で397億ドルであったものが、2020年には同15%減となる336億ドルと予測されている。対照的に非メモリ半導体メーカーの設備投資は2019年に626億ドルであったものが、2020年は同4%増の654億ドルとプラス成長が予測されている。
設備投資をけん引するファウンドリ分野
一方、2020年の設備投資をけん引するのは2019年も前年比19%増と躍進が目立ったファウンドリ分野。2020年も同8%増の見込みで、半導体全分野の中でももっとも高い成長率が期待されている。
その投資額は分野別トップとなる全体の約29%を占める見通しで、TSMCが先端プロセス向けを中心に順当に増加するほか、中国SMICが前年比で約11億ドルを増加させる見込みだという。