テルモは4月13日、同社の米国子会社であるテルモBCTの製品である遠心型血液成分分離装置「スペクトラオプティア」が、米国食品医薬品局(FDA)から、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者を対象とする緊急使用の許諾(EUA:Emergency Use Authorization)を受けたと発表した。

新型コロナウイルス感染症を原因とする呼吸不全で集中治療室(ICU)に入院している18歳以上の患者にスイスMarker Therapeuticsの「D2000吸着カートリッジ」と組み合わせて使用することが条件だという。

同装置は、患者の血液を専用のディスポーザブル回路に通すことで、血球と血漿に分離。回路に接続したD2000吸着カートリッジにて、血漿中に存在するサイトカインを減らすことで、炎症性サイトカインの過剰産生、いわゆるサイトカインストームによって引き起こされる呼吸障害の改善を図ることが期待されている。

ただし同社ではスペクトラオプティアとD2000吸着カートリッジの組み合わせについて、あくまで4月13日時点でFDAが新型コロナウイルス感染症に対して治療効果があると承認した医療機器ではなく、公衆衛生の緊急事態である期間のみの使用許諾を受けたものであるとしている。

  • スペクトラオプティア

    スペクトラオプティアとD2000吸着カートリッジを組み合わせた状態 (出所:テルモ)