ServiceNow Japanは4月15日、オンラインによる記者説明会を開催し、同16日に「危機管理支援アプリ日本語版」とISVパートナー向けCOVID 19対応のアプリ開発支援プログラムの無償提供を開始すると発表した。

政府が4月7日に宣言した緊急事態の発端となった新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により、多くの企業・組織はテレワーク活用など在宅勤務を導入・拡大しているが長期化に伴い、各部門および従業員の状況や事態をリアルタイムに把握し個々の案件に応じて適切に対応することが一層求められている。

このような状況を鑑みて、ServiceNow Japan 執行役員社長の村瀬将思氏は「3月に米国でアプリを発表して以降、世界中で1000社以上の企業・組織が利用している。新型コロナウイルスに関する問い合わせや管理、対応などをリモートから企業・従業員が双方向的に利用できる。企業のみならず、公共団体を含めて幅広い組織に利用してもらい、少しでも円滑な事業継続に役立ててもらいたい。危機管理支援アプリは内閣官房IT総合戦略室に提案中だ」と話す。

  • ServiceNow Japan 執行役員社長の村瀬将思氏

    ServiceNow Japan 執行役員社長の村瀬将思氏

危機管理支援アプリは、Emergency Outreach(緊急アウトリーチ)、Emergency Self Report(緊急セルフ・レポート)、Emergency Exposure Management(緊急エクスポージャー管理)、Emergency Responce Operationsの4つで構成されており、このうちOutreach、Self Report、Managementを日本語版で9月30日まで無償提供する。

  • 危機管理支援アプリの概要

    危機管理支援アプリの概要

Emergency Outreachは、緊急時において社員の所在と安全を自動的かつ一元的に可視化するアプリケーション。企業におけるさまざまなワークフローを管理するプラットフォーム「Now Platform」を活用することで、緊急時に企業は従業員と連絡を取り合い、影響の度合いを評価することを可能とし、電子メールで最新の情報や安全対策を提供できるほか、従業員からは安否や所在確認の情報を求めることができる。また、同社のNow Mobile Appを利用することで、モバイル経由で従業員にプッシュ通知を送信して、回答を得ることも可能。

  • Emergency Outreachの概要

    Emergency Outreachの概要

Emergency Self Reportは、緊急状況下の各従業員の就業状況を一元的に管理・可視化するアプリケーション。従業員は、万が一自身が感染した場合、職場に病状の度合いや復職の予定時期を通知することを可能とする一方、企業は組織の労務管理が一元的に可視化・管理できることで、柔軟かつ適切な人員の配置や割り当てができるという。

  • Emergency Self Reportの概要

    Emergency Self Reportの概要

Emergency Exposure Managementは、組織内の感染拡大リスクを可視化するアプリケーションとなり、従業員の感染が確認された場合、企業は同従業員の勤務地と会議履歴に基づいて、同従業員と接触していたほかの従業員や社外の人物を特定することを可能としている。

  • Emergency Exposure Managementの概要

    Emergency Exposure Managementの概要

Emergency Responce Operationsは英語版での提供だが、米ワシントン州保険証がNow Platform上で開発した実用アプリケーションで、公的機関による緊急隊をうサポートすることを想定し、重要拠点のリソースとスタッフのアサインを最適化するという。

  • Emergency Responce Operationsの概要

    Emergency Responce Operationsの概要

アプリの入手方法はユーザーが新規か既存でプロセスが異なり、新規の場合はCOVID 19支援専用サイトにアクセスし、必要事項を入力・申請すれば無償でインスタンスを入手できる。既存についてはServiceNow Storeにアクセスし、ユーザー自身のインスタンスにアプリをインストールする。

導入支援に関しては新規ではServiceNow Communityに問い合わせた上で、同社のCustomer Outcomeチーム、もしくは同社のパートナーによる導入支援ができ、既存は通常の問い合わせ、導入支援は新規ユーザーと同様となる。

国内における状況としては、各社が導入検討中・アプリ検証中であり、横河電機ではアプリを検証しており、導入支援の展開はアクセンチュア、デロイト、DXCテクノロジー、EY、KPMGの5社を含めて現在、複数の企業と協議を進めている。

  • 危機管理支援アプリのダウンロード状況

    危機管理支援アプリのダウンロード状況

一方、ISVパートナー向けCOVID 19対応のアプリ開発支援プログラムに関しては、同社のみならずパートナーの持つアイデアをアプリケーションとして、ユーザーに提供することで広範なニーズに対応するというものだ。

開発環境を無償提供し、パートナープログラムの年会費は免除され、契約プロセス、認定プロセスの簡略化で早期着手を可能とし、同社からの技術支援による迅速な製品提供を実現するという。すでに既存のISVパートナー2社と新規のパートナー2社が参画に対して意思表明をしている。

  • SVパートナー向けCOVID 19対応のアプリ開発支援プログラムの概要

    ISVパートナー向けCOVID 19対応のアプリ開発支援プログラムの概要