伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は4月14日、プロフェッショナル・エージェンシー事業を展開するクリーク・アンド・リバーが開発したVR(Virtual Reality、仮想現実)教材を制作できるVR教育ソリューション「ファストVR」の取り扱いを開始した。ファストVRは、ユーザーが撮影した360度の動画から研修用のVRコンテンツを作成することができ、効率的なコンテンツ共有を実現するソリューション。価格は年間150万円(税別)~となり、工場を持つ製造業やフィールドエンジニアを抱えるサービス業などを中心に展開し、3年間で3億円の売上を目指す。
昨今、5Gに関連した通信やスマートデバイスの発展に伴い、製造業やサービス業などでの現場作業の省力化や品質向上を目的にヘッドマウントディスプレイとVR技術を活用した没入型の教育研修、トレーニングのニーズが高まっているという。しかし、効果的にVRを活用するためには、コンテンツの制作や編集でノウハウや経験、専門的な知識やツールなどが必要となる状況となっている。
ファストVRは、VR動画の編集や配信、視聴管理の機能を備えたVRプラットフォーム。ユーザーが市販の360度カメラで撮影した動画をVRコンテンツに編集するアプリケーション「ファストVRエディター」と、VR視聴のためのアプリケーション「ファストVRプレイヤー」、タブレットなどにインストールしてVRゴーグルを同時に複数台コントロールする「ファストVRコントローラー」から構成されている。VRコンテンツを短時間で手軽に作成することができ、技能継承や現場訓練、業務マニュアルなどのコンテンツを安価で用意することを可能としている。
CTCはファストVRの提供に加え、導入に伴う設計やコンサルティング、各種設定サービスを提供するほか、タブレットやスマートグラス、ウェアラブル端末などのデバイスに対応し、現場作業を遠隔から支援するARプラットフォーム「Atheer」をすでに提供しており、ユーザー企業はファストVRとAtheerを相互に組み合わせて提供することで、現場と教育の更なる連携を図ることができるという。