中国情報通信研究院 (CAICT)などのデータに基づいたTechNodeのレポートによると、2020年3月の中国におけるモバイルフォンの出荷台数が前月から241%上昇した。
新型コロナウイルス (COVID-19)の感染拡大の影響で、1月の出荷台数は前年同月比38.9%減、2月が同56.0%減の大幅な落ち込みだったが、3月は同23.3%減。閉鎖されていた商業施設などの営業再開が広がり、またHuaweiのP40シリーズやXiaomiのRedmi Note 9 Pro/Pro Maxなど春の新製品発表が続いて市場が活気を取り戻し始めた。しかし、まだCOVID-19禍前の水準の8割程度であり、この回復を継続できるかが第2四半期の注目点になる。
2020年第1四半期(1〜3月期)のモバイルフォンの出荷台数は4,900万台。前年同期比36.4%減だった。スマートフォンは4,770万台で同34.7%減。3月のモバイルフォンの出荷台数は2,180万台 (前年同月比23.3%減)、スマートフォンは2,100万台 (同21.9%減)、そのうち5G対応機種は620万台だった。
3月にリリースされたスマートフォンの新製品は34機種 (前年同月比15%減)だった。中国メーカーのモバイルフォンの出荷台数は全体の86.8%に相当する1,890万台 (同26.5%減)。Appleは2月に約50万台と大きく落ち込んだが、3月は回復の幅で中国メーカーを上回った。TechNodeの推計によると、3月の出荷台数は約250万台、前月比406%増だった。
他の市場よりも早く中国市場はCOVID-19禍から回復しようとしている。だが、先行きを楽観視する声は少ない。サプライチェーンや製造工場は順調に活動を再開させ始めているものの、消費者は慎重な姿勢を維持している。Strategy Analyticsが、3月21日〜25日に行ったサーベイ調査 (1,300人が回答)によると、中国の消費者の37%がスマートフォンの買い替えを控えると答え、また32%が5Gへの移行を遅らせるとした。そうした中でもiPhoneユーザーは41%が計画通りまたはそれよりも早く新しい端末を購入する計画と回答。対照的にHuawei端末のユーザーで予定通りに購入するという回答は1/4程度、中止または遅らせる人が42%となっている。