米Cypress Semiconductorは4月6日(米国時間)、同社のPSoC 6をベースにした新しいIoT向けプラットフォーム「IoT-AdvantEdge」を発表した。これに関する記者説明会が4月14日に開催されたので、その内容をご紹介したい(Photo01)。
これまでCypressはPSoCあるいは旧富士通のFMシリーズをベースにした開発ボードのソリューションを多数提供してきたほか、個別に様々なライブラリとかコネクティビティなどをリリースしているものの、包括的なソリューションという意味では案外に手付かずというか、ユーザー任せになっていた。この状況から一方踏み込んで、IoT向けの包括ソリューションとして発表されたのがIoT-AdvantEdgeである(Photo02)。
このソリューションで提供される主要な特徴はこちら(Photo03)となる。まぁいずれもIoT Edge向けには欠かせない要素であるが、個々の要素そのものは決して新しいものではない。ただこれがまとめて提供される、という点が新しいものになっている。加えて言えば、そのIoT-AdvantEdgeを利用するためのWebベースリソースを大幅に充実した、としている(Photo04)。
ちなみにそのIoT-AdvantEdgeの中核ともいうべきものが、「Modus Toolbox」である(Photo05)。2020年4月2日に最新版のRelease 2.1が提供されており、この2.1で様々なクラウドとのコネクティビティが強化された。
今回のIoT-AdvantEdgeに対応した開発キットはこの4製品である(Photo06)。いずれも2020年に入って発売されたものだが、別にこのキットそのものがIoT-AdvantEdge専用という訳ではない、汎用のものである。IoT-AdvantEdge対応という意味では、村田製作所のWi-Fi/BT Moduleを組み合わせた部分であり、これは今回初という話であった。
ちなみに今回はいずれもPSoC 62ベースでのキットだが、同社はすでにSecure MCUとしてSecure Provisioning機能やRoTなどを搭載したPSoC 64シリーズを出荷中であり、こちらの将来製品としてはより堅固な機能を搭載したものをリリース予定、という話であった(Photo07)。