国際半導体製造装置材料協会(SEMI)の日本事務所であるSEMIジャパンは4月9日、日本政府が4月7日付で発令した新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言時に事業継続が求められる事業者の対象として、設備の特性上、生産停止が困難なものとして半導体工場を追加指定したことを明らかにした。

SEMIでは、半導体に関する各工場が今回の宣言によって活動を停止することが、世界のエレクトロニクス製造産業に深刻な影響を与えることとなり、製造サプライチェーンに混乱をもたらし、ひいては経済および未来の国民全体の生活に影を落とすリスクが高いという点の説明を国に対して行ってきたとのことで、今回の事業継続対象として追加指定されたことで、ものづくり産業のサプライチェーンに与えるリスクを少しでも緩和することが期待できるようになるとしている。

2020年4月10日時点、日本に限らず多くの国の政府が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響から国民の生活を保護することと、経済的なダメージをいかに抑えるかのバランスをどのようにとるのかという難しいかじ取りを迫られている。一部の国や地域などでは半導体工場や半導体製造工場も操業停止措置が取られているが、その一方で経済活動の維持に必要な産業であるとして稼働の継続が認められている国や地域もあり、これらの取り組みによりサプライチェーンが分断される、という最悪の事態は回避されているものの、新型コロナウイルスとの闘いが長期化すれば、新たな課題が生じる可能性もあるとSEMIでは危惧を示している。

そのためSEMIでは、グローバルの取り組みとして各政策立案者と協力し、今後のこうした課題に対して、各種情報収集を進め、関係企業と対話を進めていくことで、健全なサプライチェーンの維持に向けた最善の道の模索を継続して行っていくとコメントしている。