野村総合研究所(NRI)は4月9日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、生活者のコミュニケーション方法や情報収集に与える影響を把握することを目的とした緊急インターネット調査を3月に実施し、その結果を発表した。
同調査によると、新型コロナウイルス感染拡大後、離れて暮らす家族や親族とのの対面コミュニーション頻度が減る一方で、LINEやSkype等のデジタルコミュニケーションの頻度は増えていることが明らかになったという。特にこの傾向は女性に顕著で、若年層だけでなく50代、60代など中高年層でもデジタルツールの利用頻度は増加しているという。
新型コロナウイルスに関連する情報をいち早く知る手段として、10代・20代の若年層はTwitterを好み、30代、40代はGoogleやYahoo!などのポータルサイトを、そして50代、60代はテレビを利用しているという。
情報の収集手段としての各媒体について信頼度を聞いたところ、回答者の7~8割がテレビ・新聞での情報を信頼しているのに対し、SNSでの情報を信頼している人は2割しかいなかったという。
また、新型コロナウイルスに関するフェイクニュース(と思われる)情報を見聞きした人は7割以上にのぼり、複数回見聞きした人は半数程度存在するということだ。フェイクニュースを見聞きした情報媒体としては、テレビ(民放)、インターネット検索サイト、Twitterが多く挙がったという。
なお、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルスに関する誤情報やフェイクニュースが大量に拡散する状態を「インフォデミック」と呼び、新型コロナウイルスの拡散と同様に強い警鐘を鳴らしているという。
NRIは、緊急事態宣言下でますますデジタルツール経由の情報収集が増えることが予想されるなか、国民の命と社会を守るという意味において、日本も新型コロナウイルス感染拡大だけに意識を集中するのではなく、誤情報・偽情報の拡大(インフォデミック)抑止にも十分注意を向ける必要があるとしている。