ルネサス エレクトロニクスは4月7日、32ビットRXマイコンファミリの新製品として、産業機器の制御とネットワーク機能を1チップで実現する、RXv3コア搭載「RX72N」と「RX66N」の2グループを発表した。
RX72Nは、最高動作周波数240MHzでイーサネットを2ch搭載しているほか、120MHzでの読み出し動作が可能な4MBのフラッシュメモリ、1MBのSRAM、182本の汎用入出力ポートにより、機器のリアルタイム制御とネットワーク機能を1チップで実現することを可能とするもの。モータのベクトル制御を高速化する三角関数演算器(sin/cos/arctan/hypot)も搭載するほか、割り込み応答時間を短縮するレジスタ一括退避機能を搭載したことで、クローズドループ制御に要するCPU負荷を低減できるようになるため、ネットワークなどの追加機能の実装が容易になるという。
一方のRX66Nは、最高動作周波数120MHzでイーサネットを1ch搭載しているほか、倍精度FPU、割り込み応答を高速化するレジスタ一括退避機能、4MBフラッシュメモリ(120MHzリードアクセス、デュアルバンク機能)、1MB SRAM、182本の汎用入出力ポートなどを搭載しており、産業/民生機器に要求されるHMI、セキュリティなどの機能も同時にカバーし、筐体の小型化と開発期間の短縮を可能にするという。
なお、これらの製品シリーズの投入により、EtherCAT対応のRX72M、ならびにメインストリームのRX65N/RX651と合わせて、機器制御とネットワーク機能を1チップで実現するポートフォリオが拡充したと同社では説明している。また、機能を手軽に試すことができる評価ボード「RX72N Envision Kit」もすでに提供を開始しており、販売価格は60ドル/個(税別)前後を予定しているという。