トヨタコネクティッドとNTTデータは4月7日、トヨタ自動車がグローバルで展開するモビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)のさらなる機能・サービスの拡張、コネクティッドカーの展開国拡大に向けて、フトウェア開発力、運用体制の拡充を目的として同1日から業務提携を開始したと発表した。
自動車業界では、市場ニーズの多様化やMaaS、CASE(Connected、Autonomous/Automated、Shared、Electricの頭文字を合わせた造語)といった新たな領域の進展により、IoT技術を活用した異業種の参入やライドシェア、カーシェアをはじめとした新たなサービスの誕生により、クルマの価値そのものが大きく変化しつつあるという。
一方、情報通信業界ではクラウドサービス、ビッグデータ、AIなどの技術の急速な進展により、新しいデジタルサービスが加速度的に登場しており、それらの技術の活用可否が自社の事業拡大により直接的な影響を与える時代となりつつあると指摘。
このような時代変化の中、トヨタ自動車は2016年末に「コネクティッド戦略」を発表し、MaaSへの取り組みを加速するため、提供するすべてのクルマをコネクティッド化すると同時に、MaaS戦略を支える情報プラットフォームとしてMSPFの展開を推進している。
トヨタコネクティッドは、そのMSPFの開発と世界中で毎年数百万台単位で増加するコネクティッドカーから、収集されるビッグデータのクラウドセンター運用業務を日本・米国を中心に世界7地域で取り組んでいる。一方、NTTデータは世界50以上の国と地域において、デジタルを活用した新たな市場の創出、質の高いサービスの提供に取り組んでいる。
こうした取り組みを進める中、両社の中核であるモビリティサービス事業領域におけるトヨタコネクティッド、NTTデータ双方が保有する強みを掛け合わせ、さらに強固なMSPFの開発と拡大する車両ビッグデータへの対応力と活用力の強化が出来ると考え、今回の業務提携に至った。
具体的には、トヨタコネクティッドが培ったコネクティッドカー向けサービス事業の経験や、国内外で展開するカーシェアなどのサービス開発・運用ノウハウと、NTTデータのグローバル規模でのITリソース、クラウド、ビッグデータなどのテクノロジー活用ノウハウを掛け合わせると同時にMSPFをはじめとしたモビリティサービス事業領域での協同開発と人財交流を通じてグローバルでの開発・運用力の強化と、高度化を図る。
また、中期的にはトヨタコネクティッドの持つ顧客接点と、NTTデータの流通・小売・金融業界などの多業種にわたる顧客基盤を両社で相互に活用することで、スマートシティ構想も視野に入れたMSPFのサービス力強化と、グローバル規模でのさらなるプラットフォーム事業の拡大を推進し、両社連携によるシナジー効果の最大化を目指す。