キョーリン製薬は、同社子会社の杏林製薬が産業技術総合研究所と共同で開発したマイクロ流路型遺伝子定量装置「GeneSoC」を用いた新型コロナウイルス検出試薬「SARS-CoV-2 GeneSoC ER 杏林」を、2020年4月中旬をめどに発売することを発表した。
GeneSoCは、高速定量的PCR技術に基づく遺伝子定量装置で、新型コロナウイルスの検体採取から結果判定まで1時間以内(検査時間15分程度、前処理時間30分程度)で完了することができることが特徴。現在、医療用機器としての開発が進められている。
杏林製薬は、3月17日付で日本医療研究開発機構(AMED)と「先進的医療機器・システム等技術開発事業」における委託研究開発契約を締結し、新型コロナウイルスのさらなる検査精度などに関する実証や操作性の確認を行うことを目的に、全国16カ所の医療機関などにGeneSoCを配備したという。
3月17日付で配備された医療機関は以下のとおり。
- 愛知医科大学 感染症科・感染制御部
- 杏林大学医学部付属病院
- 近畿大学病院
- 国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院
- 埼玉医科大学
- 札幌医科大学附属病院
- 東海大学医学部
- 東邦大学医学部
- 東北大学病院
- 独立行政法人国立機構仙台医療センター
- 鳥取大学医学部附属病院
- 長崎大学病院
- 奈良県立医科大学
- 藤田医科大学病院
- 山形大学医学部附属病院
- 山梨大学医学部附属病院
なお、杏林製薬では同試薬およびGeneSoCの安定供給に向けた生産体制の構築を進めており、GeneSoCについては4月より増産する見込みだという。