極東製薬工業は3月31日、同社が保有する核酸の抽出・精製操作が不要なDirAMP技術に基づいた「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)」の遺伝子検出試薬キットを開発し、研究用試薬として4月中旬より販売すると発表した。
同キットは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こすSARS-CoV-2の遺伝子をリアルタイムPCR装置で検出するためのOne-step RT-PCR試薬。RT-PCR阻害耐性の強い試薬成分と検体処理液による加熱処理を併用することで、鼻咽頭ぬぐい液から時間のかかる核酸抽出・精製操作を行うことなく、加熱処理を行った検体を直接RT-PCR反応に用いることで全工程2時間以内での判定を可能とすることができるという。
また、国立感染症研究所「病原体検出マニュアル 2019-nCoV Ver.2.9.1」記載のリアルタイムRT-PCR法に準拠したプライマーおよびプローブを使用して、2カ所の領域を1反応で同時検出できる試薬となっているため、操作性も向上しているという。
なお、同社では同キットのほか、米国の提携先企業が開発したイムノクロマト法を原理とした血液中のSARS-CoV-2に対するIgM/IgGを同時検出できる「SARS-CoV-2抗体検査試薬キット」の販売に向けた準備を進めているとしているほか、イムノクロマト法を原理とした鼻咽頭ぬぐい液からSARS-CoV2抗原を直接検出する「SARS-CoV-2抗原検出試薬キット」の開発も現在進めているという。