富士フイルム子会社の富士フイルム和光純薬は4月3日、従来4~6時間かかっていたPCR法の検査時間を合計で約2時間短縮することを可能とした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)用遺伝子検出キット「SARS-CoV-2 RT-qPCR Detection kit」を4月15日より発売することを発表した。
新型コロナウイルスの感染判定のための検査が国立感染症研究所(感染研)をはじめ、各地域の衛生研究所や民間の検査機関などで行われているが、検体の前処理、RNA抽出、RNAをDNAに転換する逆転写反応、ターゲットとなるDNAの増幅をリアルタイムでモニタリングするリアルタイムPCRなどの手順を経て検査を行う必要があり、結果判定まで時間がかかっていた。
同キットは、同社の検出ノウハウ・技術を活用することで、逆転写反応ならびにリアルタイムPCRの各段階の効率化を果たすことで実現したもので、反応試薬に加えて、感染研が公示しているプライマーとプローブ、検査に必要な試薬類を1つのキットとしてまとめたもので、合計、約90分間の反応時間の短縮を可能としたという。
また、他社開発の新たなRNA抽出キットと組み合わせることで、PCR検査法を用いた新型コロナウイルス感染症検出における検査時間を従来よりも約2時間短縮することが可能となるという。