企業ユーザーの常識は「Microsoft OfficeとExcel」
多くのビジネスマンが「Microsoft Office」を使っている。管理職にせよ、開発者にせよ、営業マンにせよ、事務職にせよ、だ。Microsoft Officeはオフィススイートと呼ばれる種類のアプリケーションで、ワープロアプリケーション、表計算アプリケーション、プレゼンテーションアプリケーションなど複数のアプリケーションが含まれている。中でも、多くのシーンで使われているアプリケーションが表計算アプリケーションる「Microsoft Excel」である。
インターネットの普及によって、オフィススイートですらデスクトップアプリケーションではなく、クラウドベースのWebアプリケーションやスマートフォンまたはタブレットデバイスからアプリを使って利用できるようになっている。日本でもクラウドサービスとして提供されるオフィスソフにシフトした組織は多い。それでも、Microsoft Officeは根強い。依然として、国内企業の事務作業の根幹にあるといっていい。
ここではそうしたユーザー、特にMicrosoft Excelを使っているユーザーを対象に、新たな選択肢として「Google Drive」と、その表計算アプリケーションである「Google スプレッドシート」を紹介したい。「クラウドサービスに興味があるけど、コストが増えるのは困る」「クラウドサービスの利用を躊躇しているが、表計算アプリケーションを使う必要に迫られている」、そうしたユーザーの参考になればと思う。
そもそもGoogle Driveを使う必要があるのか?
結論から書いてしまうと、予算が十分にあるならGoogle Driveを使う必要はない(もちろん、使ってもいいが)。「Microsoft Officeの永続ライセンス版を持っている」「Microsoftとすでに法人契約を結んでいる」「Microsoft Office 365のサブスクリプション契約を結んでいる」など、そうした場合はOffice OnlineやMicrosoft Officeを使い続ければよく、わざわざGoogle Driveを使用する必要はないだろう。
MicrosoftはオフィススイートをOffice 365に集約しつつあり、デスクトップアプリケーションというよりもクラウドサービスも含めPC、Mac、スマートフォン、タブレットなどで汎用的に利用できるサービスになっている。予算があればこのサービスを使えばよく、Google Driveに移行する必要性は低い。
Google DriveはMicrosoft Officeのデータとある程度の互換性はあるが、完全ではない。これまでにMicrosoft Officeで作成した資産があるなら、Microsoftのサービスを使い続けたほうが問題は少ない。
Google Driveが合うのはこんなケース
では、どのような場合にGoogle Driveが有用になるのだろうか。以下が考えられる。
- 予算が足りない。作業する従業員分だけOffice 365のサブスクリプション契約を行うのも、法人契約をするのも、永続ライセンス版を購入するのも、どのオプションを検討しても価格的に折り合いがつかない
- 個人的に表計算アプリケーションを使いたいと考えており、Office 365のようなサブスクリプション契約をするのは避けたいし、Microsoft OfficeやMicrosoft Excelの永続ライセンス版も高くて購入できない
- Microsoftアカウントを持っていないユーザ0とドキュメントを共有したり、共同編集を行ったりしたい
言ってしまうと、節約したい場合はGoogle Driveが良い候補になる。予算が十分にあるケースでも、新興企業でMicrosoft Officeで作成したデータが存在しないとか少ない場合は、Google Driveは良い候補といえる。
Google Driveで事が済めば、便利なことが多い。Google Driveには企業向けの「G Suite」という有償サービスも用意されており、予算をこちらにかけるという手もある。WindowsよりもmacOSやLinuxのほうが多い環境も、Google Driveのほうがなじみやすいかもしれない。