富士通は3月31日、東京都主税局に顧客接点の高度化を実現する「Customer Engagement Solution CHORDSHIP(コードシップ) powered by Zinrai」を提供したと発表した。東京都主税局はCHORDSHIPを活用し、納税者からの都税に関する相談や問い合わせに24時間365日自動応対するAIチャットボットサービスを4月1日からホームページ上で開始し、納税者の利便性向上を実現するという。

  • AIチャットボットサービスの画面

    AIチャットボットサービスの画面

東京都主税局では、税務行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)への対応や社会構造が変化する環境下でも正確で公平な課税・徴収を行っていくため、2030年の税務行政の将来像を示した「主税局ビジョン2030」を策定し、納税者サービスの向上と変化に対応した執行体制の構築に向けた取り組みを実施している。

その中で、納税者が夜間・休日にも自宅やオフィスのPC・スマートフォンなどで税務の手続きを実施できる仕組みを整備し、納税者の来庁負荷を軽減することを目標の1つに掲げている。これらの実現に向けて富士通は、CHORDSHIPを東京都主税局に導入し、都税に関する納税者からの問い合わせをAIチャットボットにより24時間365日自動応対するサービスを提供する。

CHORDSHIPに搭載されたAI技術、および東京都主税局が有する既存のFAQデータで構成し、AIチャットボットが利用者の問い合わせ内容から言葉の揺らぎや類義語を認識した上でFAQデータから適切な回答を抽出する。

  • システム構成図

    システム構成図

また、適切な会話を導くトークスクリプト機能と、機械学習型の類義語辞書と連動した自然文解析機能を備えたハイブリット型のAIを採用しているため、ディープラーニング型のチャットボットのように膨大な教師データを事前に学習する必要がなく、チューニング前の時点で高い正答率を実現。

さらに、利用者が自身のスマートフォンやPCから東京都主税局のホームページ上の専用ページにアクセスし、AIチャットボット画面で問い合わせると24時間365日AIチャットボットが自動応答する。加えて、質問カテゴリの絞り込みや回数の多い質問をリコメンドする機能などを搭載しており、適切な質問へと会話を誘導することで、AIチャットボットが利用者の質問意図をより的確に理解し、回答するという。

そのほか、トークスクリプトや辞書・FAQを容易にメンテナンスできる機能を備えており、管理者が負荷なくチューニングが行えるなど、東京都主税局様における継続的なサービスの品質向上や機能強化を支援する。