2019年に半導体市場が低迷したためにマイナス成長になったものの、2020年には新型コロナウイルスの影響はあるものの、再び成長に転ずると予測している。

電子材料の市場調査会社である米TECHCETは、半導体製造用フォトレジストとその補助材料の世界市場は2019年に半導体市場が低迷したためにマイナス成長になったものの、2020年には新型コロナウイルスの影響はあるものの、再び成長に転ずると予測している。

市場の中心であるG-Line/I-LineおよびDUVフォトレジストの2020年の規模は2018年に続いて16億ドルを超す見込みである。一方、市場成長が期待されるEUVフォトレジストの市場規模は、2020年に1000万ドルを超え、2023年までの年間平均成長率(CAGR)も50%超と予測されることが期待されるが、現時点におけるEUVレジストの市場全体から見た割合は1%にも満たない規模である。

TECHCETのシニアアナリストであるEd Korczynski氏は「EUVリソグラフィは長年にわたって導入が先延ばしにされてきたが、ここにきてようやく7nmプロセス以下のIC製造に採用されるようになってきた。TSMCやSamsung Electronicsに続いてIntelも2023年に最先端のロジック製造にEUVを活用し始めるだろう。SK Hynixも先端DRAMの生産にEUVの適用を検討し始めている」と、今後、EUVのニーズが増加していくこと、ならびにEUV技術が量産活用される兆候として、特殊EUVレジストサプライヤーであるInperiaが、主要フォトレジストメーカーやEUVを採用する半導体メーカーなどから2020年2月に総額3100万ドルの投資を受けたことを挙げている。

なお、EUV露光装置の製造を手掛けるASMLは2019年、DUVステッパーを203台、EUVリソグラフィを26台販売したという。同社は2020年について30台のEUV露光装置「NXE:3400シリーズ」を生産する能力があるとするほか、2021年からは年間40〜45台出荷できるようになるとしている。

  • 半導体レジスト市場規模

    半導体用フォトレジスト市場規模の露光光源別推移(単位:百万ドル) (出所:TECHCET)