KDDIは3月30日、全国のLPガス事業者向けにIoT向け通信技術であるセルラーLPWA(LTE-M)を活用したガスの遠隔自動検針による日次検針やLPガス契約者と新たな接点を創出するガスポータルを合わせた「KDDI ガスプラットフォームサービス」を2020年4月1日から提供開始すると発表した。
LPガス業界では、検針員や配送員の高齢化に伴う人員確保、ITを活用した早急な業務改革が課題となっており、これまでコストや電源確保の問題から導入障壁の高かった自動検針システムは低価格、低消費電流、広い通信カバーエリアを持つLPWAの登場により普及が見込まれているという。
同プラットフォームは、NCU(Network Control Unitの略。セルラーLPWA内蔵の通信端末)を利用した遠隔自動検針により日次単位でガスの検針データの取得を可能とするほか、需要家に向けたガス料金の請求情報の掲載やKDDI Message Castを利用した情報配信を可能にするガスポータルを提供する。
また、LPガス事業者の業務効率化に必要なNCU設置を簡易的に行える施工支援アプリやガス残量予測のほか、配送ルート算出などAIを活用した機能も提供する。プラットフォームの開発にはアジャイル型の開発手法を用いており、必要な機能を今後順次拡充していくことが可能なためもLPガス事業者のさまざまなニーズに対応することが可能だという。
そのほかの機能として、集中監視機能はNCU、ガスメーターからのアラームを認定保安機関にて24時間365日で監視し、施工管理機能はNCUの設置を簡易にする管理サーバ、ツールを提供。さらに、ガス残量予測機能は日々のガス残量を予測し、ガス切れとなる日付を算出するほか、配送対象とする残量の閾値を設定することで配送予定日の算出も可能としている。
加えて、配送ルート最適化機能は配送先を効率的に回るためのルートを算出し、配送先別に担当者を割付せずに配送日のシフトに基づいた配送ルート数を算出する。
なお、三愛石油は5月から同プラットフォームの順次導入を予定し、プラットフォームを活用することで検針・配送業務の効率化を図る考えだ。