日立キャピタルと横河電機ならびに同社子会社のアムニモは3月26日、各社が有する技術やノウハウ、リース設備に、産業向けIoT(IIoT)を付加した新たなサービスの提供の実現に向け、3月25日付で包括連携協定を締結したことを発表した。

国内のものづくりの現場ではIIoTの活用が近年、急速に進みつつある一方、そのさらなる活用・普及に向けては、その有用性の担保や組織における専門人材の確保などが課題となっている。

今回の3社の取り組みは、そうした国内の製造現場における課題の可視化から、適切なIIoTデバイスの提案・導入、コンサルティング、そしてファイナンスまで含めた包括的なサービスを提供することで、顧客ニーズに応えられるソリューションを提供していこうというもの。日立キャピタルが提供するリース設備に、アムニモが提供するデータ測定に特化したIIoTサービスを組み合わせることで、稼働状況のデータ計測や効率的な使用方法のコンサルティングなど、高付加価値サービスの提供が可能になるという。

具体的には、デジタルサイネージに動態モニタリングセンサを付加することで、閲覧者の人数計算や動線監視の実行を可能とし、その分析結果を踏まえたマーケティング活動の支援の実施や、射出成形機にIIoTデバイスを付加することで、金型の温度監視などを実施し、生産性向上などの支援を行うとしている。

なお、3社はすでに3月26日よりサービスのPoCの構築を開始。今後は、日立キャピタルのリース設備に、アムニモのIIoTデバイスを付加することで、リース設備における稼働状況の可視化、それらを活用したサービスの実効性などの検証を進めていくとしているほか、データ分析に関しては、顧客の課題や取得したデータの種類に応じて、日立グループをはじめとするパートナーとの連携も予定しており、2020年度内の本格的なサービス開始を目指すとしている。