Samsung、DRAMへのEUV適用を開始
韓Samsung Electronicsは3月25日、EUV露光装置を採用したDDR4 DRAMモジュールを出荷したことを発表した。第1世代10nmクラス(一般に1X nmと呼ばれているが、SamsungはD1Xと呼んでいる)を採用して製造されたというが、同クラスの製品の製造には必ずしもEUVリソグラフィを採用する必要はなく、2021年以降の製造を予定している第4世代10nmクラス(1α nm)に向けた試験的な意味合いが強いようだ。
Samsungは発表文の中で「DRAMスケーリングの課題を克服するために、DRAM生産にEUVを採用した最初の企業である」と主張しており、プロセスノードはともかく、各社が1α nmのような先端プロセスでの採用を計画して開発を進める中、DRAMへのEUV採用企業一番乗りを目指して10nmクラスでもこなれた1X nmで試しに生産をしたということのようである。
同社はEUVテクノロジーを採用した理由として、「マルチパターニングによる露光回数の増加を減らし、かつパターニング精度、パフォーマンス、歩留まりの向上などを図ることができ、そして開発時間の短縮も可能にすることができるため」と説明しているほか、今回のEUV採用1X nm DRAMモジュールについては、グローバルな顧客評価を完了しており、プレミアムPC、モバイル、エンタープライズサーバー、およびデータセンターアプリケーションでの使用に向け、EUVを活用したDRAMの道筋を切り開くものとしている。
DRAMでのEUV採用の本命は1α nmクラス
また同社は、EUVは2021年の第4世代10nmクラス(D1a、14nm)であるDRAMをはじめに、それ以降の次世代DRAMで本格適用していく計画であるとしている。このD1aプロセスでは、DDR5およびLPDDR5の量産を開始する予定で、今回製作されたD1xウェハと比べて生産量は2倍に向上するという。
なお同社は、次世代プレミアムDRAMへの需要の高まりに対応するため、2020年後半に韓国 平澤で2番目となるDRAM製造ラインの稼働を開始する計画であるとしている。