新型コロナウィルスの影響により、セミナーや展示会や就活セミナーなどが相次いで中止になっています。そんな中、注目を集めているのがインターネットを利用したライブ配信です。
先月、世界各地400社以上の企業にカスタマーデータプラットフォーム(CDP)を提供するトレジャーデータは、新型コロナウィルス感染リスクを避けるため、これまでオフラインで定期的に行っていたセミナー「PLAZMA」を開催前日にライブ配信での同時中継に切り替えました。その結果、1日当たりのユニーク視聴者数は約800~900名、リアルイベントにおける来場者想定を大幅に上回る9割の人にリーチしたといいます。それだけではなく、平均200名もの人々が約90分のセミナーを視聴した、という驚きの結果をもたらしました。
このように、集団感染の拡大により、クラウド型の動画配信プラットフォームを提供するブライトコーブにもセミナー・展示会といったオフラインイベントのインターネット動画配信についての問い合わせが増えています。
3月6日、ブライトコーブは都内でライブ配信によって「セミナー・展示会をライブ配信する方法」を開催しました。本稿では、このライブ配信をもとに「ライブ配信に踏み切るコツ」を紹介します。
ブロードキャストと双方向通信とは?
一口にライブ動画配信といっても2つの種類があります。双方向配信とブロードキャスト(片方向)配信です。
双方向配信はSkypeやHangout Meet、Zoomのような商品に代表されるもので、Web会議システムとも呼ばれる製品です。一方、ブロードキャスト配信で代表的なものはテレビ放送やYouTubeですが、Twitch、SHOWROOMなどのサービスも含まれます。ブライトコーブのサービスもブロードキャスト配信に含まれます。
前提として、ブロードキャスト配信と双方向配信はそもそも設計思想が異なり、似て非なるもので互いに比較すべき対象ではないことをご理解ください。それぞれに良い面とl悪い面があるため、用途によって使い分けすることを推奨します。
まず、ブロードキャスト配信には、視聴人数を問わず安定した配信を求められる場合が多く、画質や音質を重視した動画配信システムです。数千~数万人という視聴者が同時に視聴しても、極めて安定した動画配信を実現するサービスが多くなっています。双方向性はありませんが、チャットやコメント投稿機能により双方向性を補完している場合があります。
YouTubeやFacebookが持つライブ配信機能は、その代表的な製品です。SHOWROOMなどはテキスト情報による双方向性によって成り立っていると言っても過言ではないでしょう。
双方向通信は、2名以上の双方向通信が可能な動画配信システムです。視聴者が互いに動画でコミュニケーションをとれるのが最大の特徴で、インタラクティブ性が極めて高い動画配信を実現するサービスです。双方向性を実現するため、ブロードキャスト配信に比べて画質・フレームレート・音質を犠牲にしている場合が多くありますが、コミュニケーションのリアルタイム性を重視して設計されているため、画質を追求する利用者は少なく、それらの弱点を不満に思う利用者は多くないでしょう。
内蔵マイクやスピーカーを搭載したパソコンがあれば、どちらのシステムも実現できます。もし可能であれば、Webカメラ、据え置きのマイク、もしくはヘッドセットがあれば便利です。これ以外にもビデオキャプチャーなどがあります。
まず、動画配信にはブロードキャスト配信と双方向配信が存在することを理解したうえで、企業がインターネットライブ配信する際に、何を重要視するかによって、選択するサービスが変わってきます。