ピュア・ストレージ・ジャパンは3月24日、オンラインで記者説明会を開催し、完全NVMeに対応した第3世代のオールフラッシュストレージ「FlashArray//X」を発表した。説明会には、ピュア・ストレージ・ジャパン プリンシパル・システムズ・エンジニアの岩本知博氏が出席した。
Xシリーズは、2017年に第1世代、2018年に第2世代としてコントローラをR2に刷新し、エントリーからハイエンドまで(R2でX20はNVMeに対応していたが購入時はiSCSI、X50以上でNVMe対応が基本)、すべてNVMeのテクノロジーを使えるようにした。
今回、新たなコントローラとしてR3を発表し、R2と比較して約25%の性能向上が図れたほか、X10からX90までの計5モデルに対応。
岩本氏は、NVMeを使う理由について「3年前に初めてXシリーズを提供した際は、従来のFlashArray//M70では最大の書き込み精度を出すためにはSAS SSDモジュールが68本必要だったが、われわれのNVMe DirectFlashモジュールであればオーバーヘッドがなく、10本で同様の構成ができるためだ」と説明した。
また、SSDをメンテナンスするためのオーバープロビジョニング領域により、ユーザー側で使える容量が少ないが、同社ではSSDメーカーが設定するオーバープロビジョニング領域を取り外し、SSD内のNANDに最適なオーバープロビジョンニング領域を設けている。
その代わり、ストレージレイヤ(Purity OS)でオーバープロビジョニング領域を20%確保している。これは、同社のDirectFlashモジュールは、チップはSSDメーカーから供給を受けるが、デバイスとモジュールは自社生産しているという。
同氏は「われわれのDirectFlashモジュールは直接NANDにOSがアクセスし、容量のコントロールを容易にしている」と胸を張る。アップグレード可能なコントローラにより、パフォーマンス・容量を向上し、長期利用可能なシャーシ、OSであるPurityにより異なるサイズ・容量の混在、従来型SSDとDirectFlashモジュールの混在環境であっても許容するソフトウェアデザインとなっている。
さらに、容量や密度、性能、機能を必要に応じたアップグレード、ダウンタイムやデータ移行のリスクを排除し、後継モデルへの継続的なアップグレードを提供する「Evergreen Storage」は技術だけでなく、保守費用のコスト低減を図ることができる。
これらを実現するプログラムとして「フラット&フェア」「フリー・エブリ・スリー」「フォーエバー・メンテナンス」の3種類を用意しており、常に使えるストレージを提供し、従来モデルから無停止でアップグレードを可能としている。