富士キメラ総研が3月24日に発表した「2020 画像・音声 AI/次世代インターフェース市場の現状と将来展望」によると、国内の画像認識関連技術市場の2025年における規模は2018年と比べて3.1倍の746億円、音声・感情・音認識関連技術は同2.5倍の334億円へそれぞれ拡大するという。

同調査は、画像認識関連技術や音声・感情・音認識関連技術といったコグニティブ関連技術9品目(国内市場対象)の他、視覚・聴覚情報2品目(同)、自動車向けソリューション3品目(世界市場対象)、スマート社会関連ソリューション6品目(国内市場対象)、業務関連ソリューション12品目(同)、アプリケーション9品目(世界市場対象)、キーデバイス10品目(同)の市場を調査・分析したもの。

顔・表情認識、静脈認識、視線認識、虹彩認識、OCR、3D認識を対象とする画像認識関連技術の2019年における国内市場規模は、2018年と比べて21.8%増の290億円となる見込みだ。 中でも顔・表情認識や静脈認識、OCRなどが好調だという。

顔・表情認識は、決済や入退出管理用途を中心に普及が進んでいる。スマートフォンへの顔認証の搭載などを契機に受容性も高まっており、自動車などにも用途が広がっているとのこと。

静脈認識はATMなどの現金取引を始めとする金融サービスを中心に普及が進んでいる。 OCRは、AI(人工知能)を利用したOCRが識字率の高さ、手書き文字及び多言語の読み取りへの対応、高性能なスキャナーが不要などの点から、中小規模のユーザーに導入が進んでいるという。

音声・感情・音認識関連技術の2019年における国内市場規模は、2018年と比べて15.2%増の152億円となる見込みだ。

同市場の大半を占める音声認識は、コールセンター向け音声ソリューションが人材の低定着率といった課題や採用難、採用コストの増加などから、需要が高まっており好調という。

感情認識は、コミュニケーションロボット、家具(照明)、コンタクトセンター、医療/ヘルスケア領域などで利用が進んでおり、中でも、コンタクトセンター向けがオペレーターのストレスチェックなどで採用が進み、今後の伸びが期待できるとのこと。

音認識は、今後本格的な市場の立ち上がりが期待できるという。 現状は実証実験が活発に行われており、インフラモニタリングなど多様な用途での導入が期待できるとしている。

その他の注目市場として同社は、音声・感情・音認識関連における音声認識、自動車向けソリューションにおけるインキャビン画像ソリューション/インキャビン音声ソリューション、スマート社会関連ソリューションにおける決済ソリューション(顔認証サービス)、アプリケーションとしてドローン、キーデバイスとして高画素TOF(飛行時間)センサーを挙げている。