NTTドコモは3月18日、同社のネットワーク網と接続したクラウドコンピューティング設備(クラウド基盤)を用いたサービスである「ドコモオープンイノベーションクラウド」を、3月25日に商用提供開始すると発表した。また、接続端末とクラウド基盤間の通信経路を最適化することでネットワーク伝送遅延を短縮する「クラウドダイレクト」の提供を、5月下旬以降に予定している。

  • サービスのイメージ

    サービスのイメージ

新サービスは、低遅延や高セキュリティなどMEC(Multi-access Edge Computing)の特徴を持つクラウドサービスとなり、ドコモ網内の設備にクラウド基盤を構築することでにより実現しており、これまで「ドコモ5Gオープンパートナープログラム」に参加するパートナー向けに同サービスのトライアル環境を提供し、33社と技術検証を進めてきた。

  • システム構成

    システム構成

今回、同サービスの商用提供開始と同日に東京拠点を開設する。クラウド基盤には、同社が開発した画像認識APIなどの技術や、同社とパートナーが提供する映像伝送、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)などの11ソリューションを順次搭載し、5G時代のソリューション・サービスにおける広い利用を期待できるとしている。なお、クラウド基盤に搭載するソリューションは順次拡大する。

さらに、5月下旬以降のクラウドダイレクトの提供開始に合わせて、神奈川、大阪、大分の各拠点を開設し、全国4拠点で運用する。複数拠点の利用を申し込むことで、接続先の拠点を柔軟に変更可能な「ネットワーク・オン・デマンド機能」で、より低遅延なクラウドコンピューティングサービスを利用できるという。

ドコモオープンイノベーションクラウドの提供開始に合わせて、これまで「ドコモ・クラウド基盤」として提供してきたサービスをドコモオープンイノベーションクラウドに統合し、仮想マシンインスタンスや仮想ネットワークなどを利用可能としている。

仮想マシンインスタンス月額料金は、東京拠点が4000円(税別)～、そのほか拠点の仮想マシンインスタンス月額料金、オプションサービスであるクラウドダイレクトの月額料金は5月下旬以降に発表を予定している。