日立システムズは3月16日、トミス、イートラストとともに、千葉市建設局の協力を得て、実際に供用中の下水道汚水マンホールにおける水位監視の実証実験を行った結果、油脂や蒸気などが発生する劣悪な環境下の下水道汚水マンホールでも、水位変動をリアルタイムに監視できることを確認したと発表した。
日立システムズ、トミス、イートラストは、下水道雨水マンホール内の水位を遠隔でリアルタイムに監視するサービス「マンホールの防犯・安全対策ソリューション」を2016年10月から提供している。
今回実施した実証実験は、より劣悪な環境下の下水道汚水マンホール内においても、下水道雨水マンホール内同様に遠隔での水位監視が可能かどうか確認するものだ。
これまで主に集中豪雨対策として下水道雨水マンホールに設置することが多かった超音波式水位センサーを、より劣悪な環境に対応できるように改良し、千葉市建設局が管理する供用中の下水道汚水マンホールに設置。同センサーから無線通信技術「LPWA(Low Power, Wide Area)」を活用し、水位データをクラウドに送信することで、オフィスのPCや外出先のスマートフォンなどから水位変動をリアルタイムに確認可能か検証したという。
その結果、油脂等の排水による表面に凹凸があるスカム堆積や、冬場などの気温の寒暖差により発生する蒸気などにより、正確に汚水の水位を計測することが難しい状況下でも水位の上昇や下降をリアルタイムに把握し、スカムなどによって生じる詰まりによって、水位に異常が生じた場合にはそれを早急に検知できることを確認したということだ。