Microsoftは2月27日(米国時間)、「February 27, 2020—KB4535996 (OS Builds 18362.693 and 18363.693)」において、Windows 10の印刷機能や検索ボックスレンダリングの不具合などを修正するアップデート「KB4535996」を公開した。このアップデートは主に次の不具合を修正するとされている。
- ノイズが多い環境で音声プラットフォームアプリケーションが数分間開かない問題
- Windows Mixed Reality (WMR)ホーム環境の画質を低下させる問題
- ActiveXコンテンツの読み込みを妨げる問題
- モダンスタンバイモード中のバッテリパフォーマンス
- ユーザーセッションが30分を超えるとMicrosoftナレータが機能しなくなる問題
- 削除済みキーボードレイアウトがアップデート後にデフォルトとして追加される問題
- Windows検索ボックスが適切にレンダリングされない問題
- プリンタ設定のユーザーインタフェースが正しくレンダリングされない問題
- 一部のアプリケーションがネットワークプリンタで印刷できない問題
もし、上記の不具合を確認していたとしても、このアップデートの適用は見送ったほうがよいかもしれない。「Cumulative Updates - February 27, 2020 - KB4535996 Optional - Microsoft Community」に「KB4535996」を適用したユーザから大量の不具合報告が行われているのだ。ユーザーから寄せられている主な不具合は次のとおり。
- PCがスリープ状態から復帰するとブラックスクリーンになるようになった
- PCがスリープ状態に入ることができなくなった
- PCがランダムに再起動するようになった
- PCがランダムにクラッシュするようになった
- PCが起動しなくなった
- ログイン後にディスプレイがちらつくようになった
- アプリケーションおよび管理者権限でのPowerShellが起動しなくなった
- Cortanaを使ったカレンダーエントリの作成ができなくなった
- ノートPCのキーボードが機能しなくなった
- ディスクに用途不明の書き込みが行われていた
- オーディオが機能しなくなった
- 印刷できなくなった
- デスクトップデータが削除された
本稿執筆時点で、Microsoftはまだこの不具合について認識していないか、調査中としても報告を行っていないためどのようなことになっているのか不明瞭な状況にある。「KB4535996」は2020年3月のWindows Updateに取り込まれる可能性もあり、問題がさらに多くのユーザーに広がる可能性もある。
Microsoftはこのところ、個別に提供するアップデートによって問題を引き起こすケースを繰り返している。不具合が発生していたとしても、アップデートを適用することでさらに別の問題が生じる可能性があり注意が必要。セキュリティアップデートなど緊急性の高いアップデートを除き、不具合やバグの修正については適用前に他のユーザーからの報告を待つなど、対策を取ることが望まれる。