オートメーション・エニウェア セールスエンジニア本部 本部長 由井希佳氏

オートメーション・エニウェアは3月10日、企業の従業員が業務アプリケーション上で行っている作業プロセス全体を分析して、RPAによるプロセス自動化の最適化とBotの開発を、AIを活用して支援する新テクノロジー「Automation Anywhere Discovery Bot」をグローバルで順次提供すると発表した。

オートメーション・エニウェア セールスエンジニア本部 本部長の由井希佳氏は、「RPAを導入する際の最大の課題は、自動化できる業務プロセスを見つけること。自動化できる業務プロセスが明らかになった後も、その業務プロセスを理解するために時間がかかる」と説明し、こうした課題を解決するのが「Discovery Bot」となる。

Discovery Botは、 AIと機械学習を活用して、複数の業務アプリケーションを使用しながら行うプロセス全体をレコード(記録)し、繰り返し行われるプロセスのパターンを検出して分析する。分析結果に基づき、自動化によって最大の効果を得られるプロセスを特定し、ROI(費用対効果)の高さで優先順位を付け、記録したプロセス全体を最適に自動化するBotを生成する。由井氏は、競合製品と異なる点として、「Botの自動生成まで行える」と話した。

  • 「Discovery Bot」の自動化のステップ

Discovery Botは、昨年10月に発表されたインテリジェント・オートメーション・プラットフォーム「Automation Anywhere Enterprise A2019」で稼働する。「Anywhere Enterprise A2019」は、RPAソリューション「Automation Anywhere Enterprise」、AIソリューション「IQ Bot」、BIソリューション「Bot Insight」から構成される。ここに「Discovery Bot」が加わったことで、「自動化対象の業プロセスの検出、業務プロセスの自動化、自動化の最適化というプロセスを継続的に回すことが可能になった。これで、ビジネスプロセスのエンドツーエンドの自動化を実現できる」と、由井氏は語った。

  • 「Automation Anywhere Enterprise A2019」が実現するインテリジェント・オートメーション・プラットフォーム

  • 「Automation Anywhere Enterprise A2019」が実現する業務プロセス自動化のプロセス

「複雑なビジネスプロセスのエンドツーエンドの自動化を実現するには、包括的なプラットフォームが必要。従来のサイロなRPA製品が、統合型オートメーション・プラットフォームに取って代わられる日が来る」(由井氏)

由井氏は、「Automation Anywhere Enterprise A2019」はマイクロサービスベースのアーキテクチャで刷新されているから、アジャイルで開発を進めることができるのも特徴の1つと説明した。

オートメーション・エニウェア アジア太平洋・日本地区担当エグゼクティブ バイス プレジデント エイドリアン・ジョーンズ氏

アジア太平洋・日本地区担当エグゼクティブ バイス プレジデント エイドリアン・ジョーンズ氏からは、日本における2020年の事業戦略が紹介された。

オートメーションエニウェア日本は、グローバルで2番目の市場であり、18年から19年にかけて、日本を含むアジア11カ国で売上高300%の成長を記録しているという。新規顧客数も、18年から700%増加し、500社を達成している。

ジョーンズ氏は、2019年の日本における施策として、「製品の日本語対応」「東京、大阪、名古屋、福岡に拠点設置」などを挙げた。2020年は、日本の二ーズに合わせた機能を開発する製品開発チームを東京に設置するほか、IQ Botで日本語手書きに対応し、「Enterprise A2019」のクラウドバージョンを日本のデータセンターから提供している。

さらに、ジョーンズ氏は注目してもらいたいトピックとして、Botのマーケットプレイス「Bot Store」を紹介した。「Bot Store」では、定型業務を自動化するBot、これまで役職で定義されていた業務内容の一部を人間の思考・行動・分析により自動化して一連のスキルを提供するデジタルワーカーが提供されている。

ジョーンズ氏は、「Bot Storeで必要なスキルを見つけて、そのロボットをダウンロードするだけで、業務を自動化できる。デジタルワーカーをオンラインで雇うことができる」と語った。

Discovery Bot 現在、パイロットプロジェクト向けに提供を開始しており、販売は数カ月後から順次行う予定。日本での提供時期は決まっていない。