Cogent Labs(コージェントラボ)とアサヒグループホールディングスは3月9日、最新のトレンドを反映して独創的なパッケージデザインを生成するという「AIクリエーターシステム」を共同で開発したと発表した。新システムは、2020年4月を目処に試験運用を開始する予定だ。

  • AIクリエーターシステムのイメージ

両社が共同開発したシステムは、ディープラーニング(深層学習)を使用して優れたデザインに共通する特徴をAI(人工知能)が独自に抽出し、人間では簡単に思いつかないようなアイデアを生み出すことが可能としている。

同システムは、インプットした画像素材やコンセプトから多数のデザイン案を作り出す「デザイン生成システム」と、生成したデザイン案の良し悪しを判断して点数付けする「デザイン評価システム」の2つで構成する。

デザイン生成システムは、世の中のトレンドを反映した多様なデザインデータをインプットすることで、求めるコンセプトに応じたデザイン案を自動生成する。

一方のデザイン評価システムは、自動生成したデザインをディープラーニングを用いて評価する。

デザイン感度の高い集団によるトレーニングを実施することで、AI自体が優れたデザインに共通する特徴を抽出し、点数付けを実施するとのこと。

これらにより、トレンドを反映し、かつ固定概念に捉われないデザインを多数提案し、年々変化が早くなるグローバルなデザイントレンドに対しても、その時々のデザインデータをAIに学習させ素早く対応可能という。

AIがパッケージデザインの自動生成から評価まで一貫して行う同システムの開発は、両社によると世界初とのこと。

既にデザイン生成システムに約3000枚のトレンドを反映した画像をインプットし、デザインに精通しているクリエーター約300人によってデザイン判断システムの初期学習を行った結果、独創的なデザインを生成可能になったとしている。