新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍晋三首相が全国の小中高・特別支援学校の一斉休校を要請してから1週間が経過した。多くの児童、生徒が自宅を中心とした生活を送る中で、学習を支援する取り組みが活発に行われている。

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    文部科学省「臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)」

文部科学省は、多くの学校が休校に入った3月2日に「臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト(子供の学び応援サイト)」を開設した。萩生田光一文部科学大臣は3日の定例記者会見でこのサイトについて「臨時休業期間は子供たちが自宅で学習できるような環境整備が重要。本サイトは支援方策の一つ」「児童、生徒、保護者のほか、臨時休業期間中の児童、生徒の生活や学習を支えている方々に活用してもらいたい」と述べた。

同サイトでは、さまざまな公的機関が持つ学習支援情報を小中高などの属性や理科、科学、歴史、といった学習分野ごとに集約しており、自分の学習レベルや関心などに合った内容を選べるよう配慮されている。登録者数が15万人を超える物質・材料研究機構(NIMS)の人気YouTubeチャンネル「まてりある's eye」や、宇宙に関する素朴な疑問を学べる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「ファン!ファン!JAXA!」など、3月6日の時点でのべ100を超える情報が集約されている。今後も随時追加していくという。

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    物質・材料研究機構(NIMS)「まてりある's eye」(NIMS提供)

新たに特設ページを開設する動きも目立っている。研究機関や大学の広報担当有志により運営されている科学技術広報研究会(JACST)は、2月29日にいち早く特設ページを開設した。そこでは研究機関や大学の多様なコンテンツを厳選して紹介し、自宅での学習支援を通じて最先端の科学技術に触れる機会を提供している。SNSを中心に反響は大きいという。

科学技術振興機構(JST)の動画サイト「サイエンスチャンネル」、ウェブマガジン「サイエンスウィンドウ」もその一つだ。サイエンスウィンドウには、児童、生徒の学習支援に共感した宇宙飛行士の山崎直子さんやメディアアーティストの落合陽一さんから特別メッセージも寄せられた。このほか、日本科学未来館をはじめとする多数の機関が特設ページを立ち上げ、児童、生徒の学習を支援している。

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    科学技術振興機構(JST)「サイエンスチャンネル キッズ」

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    科学技術振興機構(JST)「サイエンスウィンドウ for KIDS」

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