2020年1月の半導体市場はマイナス成長
米国半導体工業会(Semiconductor Industry Association:SIA)は、2020年1月の半導体市場規模は前年同月比0.3%減、前月比2.2%減の354億ドルにとどまったとの調査結果を発表した。
新型コロナウイルスは半導体産業のリスクになるのか?
SIAのプレジデント兼CEOであるJohn Neuffer(ジョン・ニューファー)氏は「世界の半導体市場は2020年に堅調なスタートを切り、業界は1年ぶりに前年比でほぼプラスの売上成長を達成した」と述べているが、「しかしながら、世界市場は世界的な貿易不安の継続的な懸念や新型コロナウイルスの世界規模の感染拡大に見舞われている。マクロ経済はこれら2つの大きな逆風に直面しており、期待されていた継続的な市場回復が阻害される可能性がある」とも述べており、成長率はいよいよプラスに転じようとはしているものの、実際はまだわずかとはいえマイナスのままであり、成長を阻害する要因次第では成長がプラスに転じる時期が後ろにずれる可能性も出てきたといえるだろう。
地域ごとにばらつきが出た市場成長率
実際、米Gartnerは新型コロナウイルスの感染拡大の影響を考慮し、ほかの調査会社に先駆けて2020年の半導体市場予測を2019年末の前年比12.5%増から同9.9%増へ下方修正している。しかも、この修正も新型コロナウイルスの問題が3月末には終息しているというベストケースを前提として算出したものであるため、さらなる下方修正の可能性があるという。
なお、2020年1月の半導体市場を地域別にみると、前年同月比で、中国が5.2%増と米国が0.8%増とわずかながらもプラス成長となったものの、アジア太平洋/その他が4.1%減、日本が5.0%減、欧州が5.6%減となっており、ばらつきが出ている。また前月比だと欧州が1.2%増となったものの、アジア太平洋/その他が0.7%減、日本が1.9%減、米国が2.1%減、中国が4.3%減といった具合にほとんどの地域でマイナス成長となった。