半導体製造装置メーカー大手の米Lam Researchは2月26日(米国時間)、半導体デバイスのさらなる微細化ニーズへの対応を目的として、EUVリソグラフィの解像度、生産性、および歩留まりの改善を可能とする新技術「ドライフォトレジストプロセス」を開発したことを発表した。
同成果の詳細は2月23-27日にかけて米カリフォルニア州サンノゼで開催された「SPIE Advanced Lithography Symposium」で発表された。また、ASMLとベルギーimecが主導する次世代EUVリソグラフィ開発プラットフォームで両社と協業して開発したという。
Lam Researchでは、従来の液体状のレジストのかわりに新しいドライレジストを用いた露光技術により、低線量照射と高解像度が同時に可能になり、生産性の向上につながるほか、露光プロセスウィンドウの拡大につながるとしている。また、レジスト使用量も液状レジストに比べて、1/5~1/10に減らせることでランニングコストの低減も可能となるほか、レジストの塗布からエッチング・クリーニングまでのパターニングプロセスを一貫して最適化できるようになることで、世界的に関心が高まるESGニーズにも対応できるようになるとしている。
また、同社はASML/imecのEUVリソグラフィ開発プログラムに参画している複数の半導体メーカーとも協業してこの新たなドライレジスト技術の実用化を目指すとしている。発表を聞いたSPIE Advanced Lithography Conferenceに参加した専門家からも、「あまりにも初期段階の研究発表で実用化についてコメントするには材料不足だが、将来が期待される」という声が出ていたほか、韓国の半導体業界関係者からは、「Lam Reserchは2021年にも韓国内に研究開発拠点Lam Research Korea Technology Center(KTC)を開設するが、そこでSamsungなどと実用化に向けて協業が進めば、韓国半導体業界の強化につながることが期待できる」といった声も出ている。
なお、imecでもドライレジストについて、EUVの普及と技術ロードマップの加速化のための重要な技術ととらえていると説明しており、研究パートナーとともに、技術の最適化を進め、より高い性能の実現を目指すとしており、従来の概念にとらわれない、新たなレジスト材料の開発を進め、EUVの量産活用の促進を図っていきたいとしている。