富士通研究所は3月3日、低コストで大容量なストレージとして再注目されている磁気テープストレージのアクセス高速化技術を開発したことを発表した。
近年、磁気テープストレージは、その大容量性と低コスト性に加え、テープ向けファイルシステムLTFS (Linear Tape File System)の普及によりアーカイブ用途での活用が期待されているが、テープ上の不連続な位置にランダムにアクセスする性能が低いという問題がある。
富士通研究所は、LTFSの上位に複数のテープカートリッジを仮想統合するファイルシステムを新たに開発した。テープ特性に合わせたデータ管理やアクセス順序制御により、テープからのランダム読み出し性能を向上させ、従来方式より4.1倍の高速化を実現したという。
これにより、アーカイブ用途で発生するランダム読み出しや多様なサイズの書き込みといった磁気テープアクセス性能の高速化が可能となり、大量データを長期に渡ってアーカイブする際に、価格対性能比に優れたデータアーカイブ基盤の実現が期待できるとしている。
富士通研究所では、同技術の業務適用を想定した検証を進め、2022年度中に富士通での製品化を予定しているという。