鳥取県八頭郡智頭町(やずぐんちづちょう)、LASSIC(ラシック)、KDDIは2月28日、地方山間部の課題全般をICTで解決していくことを目指す「山村ICT化推進プロジェクト」を共同で開始した。また、同日に3者で「地域活性化を目的とした連携に関する協定」を締結した。

智頭町は面積の9割以上が森林で、主要産業は林業。少子高齢化が急速に進んでおり、林業をはじめとする地場産業の継承が難しくなっており、3者、地方山間部が抱える「担い手不足による事業継続の困難さ」という課題を「最新のICTを活用した新たな仕組みを開発し、実装する」ことで、次世代の若者がUIJターンしやすい仕事を創出し、林業後継者を確保、育成することを目指す。

同プロジェクトは林業のみならず、地方山間部の課題全般をICTによる解決を目指す。3者で共同して体制構築や人材教育を行い、将来的には同町が自走できる形を目指す。

具体的には(1)定期的なワークショップの開催、(2)主要課題に対してICT技術の実装を検討することの2点に取り組む。ワークショップの開催については、同町の住民や鳥取県内外の学生、智頭農林高校生徒を対象にIoT/5Gなどの先進技術セミナーを開催し、ITリテラシーレベルを向上することに加え、住民や学生、高校生、UIJターン希望の若者が智頭町のICT化可能な課題に関してワークショップ形式で定期的に協議する。

ICT技術の実装ではLASSICのソフトウェア開発技術とKDDIの5G通信とIoT活用技術など、外部の有識者の知見を組み合わせ、実装に向けた検討を進める。また、外部有識者については大学や企業関係者のみならず、LASSICが提供するリモート人材サービス「Remogu」の活用により、リモートワーカーなど全国各地からのプロジェクト参画を募る。

3者の役割として、智頭町が地域課題とフィールドの提供、住民の実行体制構築支援、LASSICがソフトウェア開発と社会実装、ワークショップ事務局と講師、KDDIが地方活性化事例やIoT技術などの紹介、ワークショップ講師を担当する。