伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2月27日、日本マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の仮想デスクトップ環境(VDI)「Windows Virtual Desktop」とシトリックスのクラウドサービス基盤「Citrix Cloud」を連携させた「Citrix Cloud for Windows Virtual Desktop」の提供を開始した。働き方改革を進める企業に対し、データガバナンスが効き、コストを抑えたデスクトップ環境の選択肢としてクラウドVDIを提供し、3年間で100件の導入を目指す。

2019年9月に日本マイクロソフトが提供を開始したクラウド型VDIサービスのWindows Virtual Desktopは、Azure上の仮想化環境において同社が提供する最新OS「Windows 10」や統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」が快適に利用できる点で、企業のVDI導入の有力な選択肢として注目を集めているという。

Windows 10を複数ユーザーで利用できるマルチセッション機能は、Windows Virtual Desktopのみが持つ特徴のほか、Microsoft 365やWindowsの包括ライセンスを保有していれば追加の費用がかからないこともあり、管理とコストの両面でメリットが期待できるとしている。

Citrix Cloud for Windows Virtual Desktopは、クラウド上の仮想デスクトップ環境の運用において利便性の高い管理機能を実装するCitrix CloudとWindows Virtual Desktopを連携させたソリューション。

Windows Virtual Desktopの環境をCitrix CloudのGUIベースのコンソールによる直感的な操作でセキュリティのポリシー設定やモニタリング、パワーマンスのチューニングを行うことができることに加え、ネットワーク帯域幅に左右されずにパフォーマンスを高める通信プロトコルにより、ユーザーの体感速度も高いレベルで維持できるとしている。

CTCは、新ソリューションの提供に先行して、約1万人が利用する自社のVDI環境を全面刷新しており、Windows 10についての高度な設計・運用ノウハウとCitrix Cloud for Windows Virtual Desktopの管理機能を活かし、設計から移行開始まで約2カ月という短期で実現したという。

同社は、自社導入を通じて蓄積した知見をもとに、効率的な移行計画の策定や運用設計、ネットワーク設定変更などを含めてVDI環境の構築をトータルに支援し、今後は日本マイクロソフトやシトリックスとの協業体制をより強固なものにし、企業のクラウドVDI導入を支援していく方針だ。