KDDIは2月26日、テレコム分野のイノベーションを加速するためTelecom Infra Project(TIP)において、次世代の通信インフラの技術開発に協力すると発表した。

TIPは、通信ネットワーク構築にかかるコスト削減を実現するためのオープンな技術・デザインを開発し、通信インフラの高度化を後押しすることを目的にFacebookなどが中心となり、2016年2月に活動を開始。

TIPではアクセス、トランスポート、コアサービスをはじめとしたネットワーク全般に関して各プロジェクトグループで取り組んでおり、企画や設計、試験、配備仕様オープン化、ホワイトボックス化などを推進し、現在は通信事業者、通信機器ベンダー、スタートアップを含む数百の企業や団体が参画している。

  • Telecom Infra Projectの概要

    Telecom Infra Projectの概要

今回、KDDIとTIPはテレコム分野におけるイノベーションをさらに加速させ、新しい技術に対応したネットワークの構築を目指すため、(1)KDDIによる日本初となるTIP Community Lab設立、(2)TIPプロジェクト内にバックボーンに関する新プロジェクトグループの創設について取り組みを開始する。

TIP Community Labは今春に東京都内に設立し、通信ネットワークを構成する各機能(アクセス、トランスポート、コア)に用いるハードウェア、ソフトウェアの構成や仕様について、TIPに参画する企業がオープンに議論し、技術開発を低コストかつ効率的に進めるための開発・検証施設となる。

現在、世界7カ国12カ所に開設されており、同社が設立するTIP Community Labは日本初の拠点となり、開設にあわせてKDDI総合研究所と協力して汎用技術を用いて基地局を集約するトランスポート設備の検証に着手する。

新プロジェクトグループの創設に関しては、TIPのOpen Optical Packet Transport(OOPT)プロジェクト内に新たにバックボーンネットワークに関するサブグループ「Disaggregated Open Routers(DOR)」を今春に創設。プロジェクトグループは同社が主導し、バックボーンネットワークに用いられるルータなどの装置に関してホワイトボックス化に向けた技術開発を行う。

  • TOOPT内におけるサブグループの概要

    TOOPT内におけるサブグループの概要