新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020年2月20日、2050年までに地球環境再生に向けた持続可能な資源循環の実現を目指す「ムーンショット型研究開発事業」の研究開発プロジェクト(目標4)に参加する企業や大学などの公募を開始し、併せて同研究開発プロジェクトについての公募説明会を各地で開催していく予定であることを明らかにした。

この「ムーンショット型研究開発事業」は、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が日本発の破壊的イノベーションを起こすことを目指して創設した研究開発事業。具体的には6つの研究開発プロジェクト目標が計画されており、経済産業省およびNEDOはその1つである「2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現」という目標を担当する(「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現」という目標も担当する見通し)。

  • ムーンショット型研究開発事業

    ムーンショット型研究開発事業の目標の決め方とその研究開発プロジェクトの進め方の模式図 (出所:NEDO Webサイト)

この目標では、地球環境再生に向けて、持続可能な資源循環の実現によって、地球温暖化問題の解決(「クールアース」)と環境汚染問題の解決(「クリーンアース」)の実現を目指す。

「クールアース」では2030年までに温室効果ガスに係わる循環技術を開発し、ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点からも有効であることをパイロット施設規模で確認する計画。「クリーンアース」では、2030年までに環境汚染物資を有益な資源に変換あるいは無害化する技術を開発し、パイロット規模あるいは試作品レベルで有効であることを確認する計画で、2050年までにこれらの資源循環技術を用いた商業規模のプラントや製品を世界的に普及させることを目指すことが掲げられている。研究開発期間は2020年度から最長10年間の予定。

具体例としては、大気中のCO2や海洋プラスチックごみなどを回収し有益な資源に変換する技術や分解・無害化する技術などを求めている。

今回の公募では、参加する企業や大学などに加えて、そのプロジェクトを率いるプロジェクト・マネージャーの募集も行われる。

なお、公募期間は2020年4月20日までで、事業形態としては、委託や共同研究、助成などが予定されている。また、説明会は2月27日の川崎市での開催を皮切りに、富山、広島、大阪、博多、札幌、名古屋、仙台、那覇、高松、川崎(2回目)の各地で順次3月16日までの期間で開催される予定。詳細な開催日時や申し込みに関する情報については、NEDOが公募に関するページを公開しているので、そちらを参照すると良いだろう。