ヴィーム・ソフトウェアは2月19日、都内で記者説明会を開催し、クラウドに対応したデータバックアップ・保護製品の新バージョン「Veeam Availability Suite v10」の一般提供開始を発表した。
新バージョンでは150以上の大規模な機能強化が行われており、キーアップデートとしてはNASバックアップの強化、インスタントリカバリの強化、ランサムウェア保護の強化の3点。
NASバックアップの強化については、SMB v1、2、3やNFS v3、4.1、Windowsファイルサーバ、Linuxファイルサーバからファイルベースのバックアップができ、フォルダ属性のみをチェックするため増分バックアップの高速化を実現しているという。
インスタントリカバリの強化では、クラウド、仮想、物理のプラットフォームにおいて、あらゆるバックアップをVMware vShereに瞬時に復元が可能になったことに加え、複数のVMを1回で瞬時に復元し、個々の仮想ディスクも瞬時に復元できる。
ランサムウェア保護の強化では、既存の機能であるバックアップストレージのティアとして、Amazon S3やAzure Blob Storageなどパブリッククラウドのオブジェクトストレージを利用するCloud Tierとバックアップレポジトリの機能拡張として、S3の統合や変更不可能なバックアップにより、オフサイトのバックアップを簡素化するとともにランサムウェアや内部脅威から保護するという。
そのほか、データインテグレーションAPIを新たに提供し、新たなインサイトを得るためバックアップデータの再利用、ならびにプラットフォームのさらなる拡張性、サードパーティ製データ分析ソフトウェアとの統合の簡素化により、バックアップ活用が可能になる。
また、Linux、HPE Primera、HPE StoreOnce、Nutanix AHV、PostgreSQL、MySQLなどに向けた新しい高度な機能をはじめ、幅広いプラットフォームおよびエコシステムをサポートしている。
さらに、新たなサブスクリプションライセンスとして「Veeamユニバーサルライセンス」を発表し、1種類のライセンスですべてのワークロードにライセンスの提供が可能となり、ライセンスの最小購入単位は10、保護が必要なワークロードで使用できる。
ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長 古舘正清氏は「われわれはビジョンとしてクラウドデータマネジメントを掲げている。昨今の大きな変化として、これまではIT部門がインフラを決定していたが、デジタルトランスフォーメーションの流れの中で非IT部門ではクラウド中心にインフラを考えている。つまり、IT部門のインフラと非IT部門のクラウドを利用したインフラが融合する形となっている。したがって、マルチクラウドが前提になり、常にデータを動かせられることが求められ、迅速性と継続性を担保し、データを利活用してビジネス効率の向上を果たしたいと考えているため、われわれが支援する」と述べていた。