ジャパンディスプレイ(JDI)は2月19日、VR市場のすそ野拡大を目的に、従来のVR向けパネルやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)の販売に加え、新たにVRコンテンツの制作サービスの提供も行っていくことを明らかにした。
具体的には、同社自らがクライアントからコンテンツ制作を請け負う場合もあるほか、コンテンツ制作に長けたパートナーと共同で請け負っていくサービスを想定しており、自社のVHMDにこだわらず、クライアントニーズにマッチしたHMDやVRグラスと組み合わせてソリューションとして提供していくビジネスモデルを想定しているという。
すでに受託開発の体制は整っているとするが、本格的な事業展開は、2020年2月26日~28日にかけて幕張メッセで開催される展示会「日本ものづくりワールド2020」内の専門技術展「第28回 3D&バーチャルリアリティ展」でのブース出展からとなる模様。同社のVRコンテンツソリューションは、対象フィールドの周辺にカメラを複数台配置し、それを使って、複数人数が同時にどこにいるかの位置を把握して、その場に応じたコンテンツ表示を可能にするというフリーローム型を採用しており、さまざまなニーズにマッチさせやすいのが特徴。同展示会では一般の人にも体感してもらいやすいものを、ということで、2人1組となってFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)ライクなデモを体験することができるスペースが用意されるという。
デモ体験は各日ともに、1時間に4枠(1枠あたり2名)が予定されており、同社ブースにて当日、予約を受け付ける形が予定されている。また、状況次第ではあるが、決められた1時間あたり4枠のほかに、1時間につき1枠のみの飛び込み枠も設ける可能性があるという。
なお、実際のVRソリューションビジネスとしては、今回デモが実施されるアミューズメント的な用途というよりは、地震や火事といった非常時における行動訓練や技能取得のための訓練、外科手術訓練、建設機械の操作訓練、航空機の操縦訓練といったようなさまざまな訓練やものづくりにおける設計検証、チームビルディング研修など、幅広いビジネス分野におけるニーズに対応が可能であるとのことで、同社では、今回の出展を機に、物理世界では危険であったり、やり直しが効かない訓練などもVR空間を活用してもらうことで、習熟度を上げていくことができることを多くの人に理解してもらい、VR市場の成長につなげていければとしている。