京セラは2月13日、独自のシリコンMEMSレゾネータ製品化技術を確立したことを背景に、新たにシリコンMEMS市場へ参入することを明らかにした。
同技術は、独自の素子設計とドーピング技術を有するフィンランドTikitinを完全子会社化して発足したKYOCERA Tikitinによって開発されたもの。タイミングデバイスは、高性能・高精度ながら高価な水晶と、安価ながら水晶ほど高精度ではないシリコンベースの2つの市場が存在してきた。今回、同社が開発したシリコンMEMSレゾネータは、独自のドーピング技術により、周波数温度特性を-40~+150℃の温度範囲で、±25ppmの公差を実現したとするほか、独自の素子設計技術により、24MHz品で求められる60Ω以下のESR特性を、水晶振動子の最小サイズとされる1.6mm×1.2mmよりも58%ほど小型化した1.0mm×0.8mmで達成したという。
なお、京セラでは、さまざまな周波数に対応する製品群として2021年から同社山形東根工場にて量産を開始する計画としており、今後もさらなる小型化、低背化、高周波対応といったニーズへの対応を進めていくことで、成長が期待されるタイミングデバイス市場での存在感を高めていきたいとしている。