日本感染症学会は6日、新型コロナウイルスについて「既に国内にウイルスが入り込み街の中で散発的な流行が起きていてもおかしくない」とする一般向けの見解を発表した。

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    国立感染症研究所で分離された新型コロナウイルスの電子顕微鏡画像。粒状の粒子の上にコロナウイルス特有の冠状のスパイクタンパク質が観察できる(国立感染症研究所提供)

この見解は「一般向け 新型コロナウイルス感染症に対する注意事項」と題し、「幸いなことに重症例の発生はこれまでのところみられていない。しかし、無症状者からのウイルスの分離などの事実が明らかとなり、国内にウイルスが入り込みすでに市中において散発的な流行が起きていてもおかしくない状況」とした。

そして「今後の症例数の増加にともない重症例が報告されてくることも考えておかなければならない」と指摘している。また、新型コロナウイルスの病原性は、感染者の経過分析などから現時点では「季節性インフルエンザ相当、あるいはやや強いが妥当と考えられる」としている。

対策については、免疫不全患者、高齢者を守ることが重要であると強調。特に「高齢者施設で流行しないように、細心の注意を払って対応する必要がある」とした。

一般向けとした今回の見解では、分かりやすい感染防止対策も示した。この中で「コロナウイルスの感染は飛沫感染が主で、せきやくしゃみによりウイルスが伝播されることにより生じる。したがって、インフルエンザに対する予防と同様に、せきエチケット、手洗いなどの感染対策が有効」「感染対策として最も重要なことは手の清潔。マスクを着用していてもウイルスで汚染した手指で目、鼻、口などに触るとこれらの粘膜から感染する可能性がある」などと解説している。

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