日立製作所は2月6日、AIを活用した画像認識の容易な導入・運用により、製造業における製品や部品などの外観検査業務を高度化・省力化する「Hitachi Visual Inspection Application (外観検査アプリケーション)」の販売を開始した。

昨今、製造業においては、人手不足の解消や匠の技の伝承などさまざまな課題解決に向け、ディープラーニングを基にしたAIの活用が進展しており、製品の多様化により複雑化する生産ラインの検査工程ではAIによる画像認識を活用することで、省力化を図る取り組みが活発化し、迅速なPoC(Proof of Concept:概念実証)環境の構築、実際の検査環境にあわせた容易な適用や柔軟なカスタマイズを可能とするソリューションが求められているという。

新アプリケーションは画像認識に必要なAI判定モデルの再学習機能、データの前処理、解析結果を表示するユーザーインタフェースまで基本的な機能をまとめて提供し、クラウド上での稼働も可能なほか、検査環境に応じた柔軟なカスタマイズにも対応できる。

また、AI判定モデルを利用し検査を行う「Hitachi Visual Inspection Software Package(外観検査ソフトウェアパッケージ)」、業務に応じた高精度なAI判定モデルの生成と業務適用時の検査精度を事前検証する「Hitachi AI Technology/ディープラーニング目視検査代替サービス」もあわせて提供する。

  • 各製品の概要

    各製品の概要

外観検査ソフトウェアパッケージは外観検査アプリケーションと連動し、検査対象物に最適化されたAI判定モデルに従って画像解析を行う。同社が独自に研究・蓄積した画像処理技術とディープラーニング技術を活用することで、異常と判定する画像データが少ない場合や未知の事象による不良発生においても判定を行うことを可能としている。また、AI判定モデルは継続した利用や学習の繰り返しにより、高精度な外観検査ができるという。

ディープラーニング目視検査代替サービスは、多様な製造物ごとに最適なAI判定モデルを作成し、業務適用時の検査精度を事前検証。同社がこれまで蓄積してきた多数の実施検証から得られたノウハウと独自のディープラーニング技術を活用し、これまで判定モデルの作成が難しかった特殊品についても高精度な判定モデルを作成することができ、外観検査業務へのAIの導入検討を支援するとしている。

価格は外観検査アプリケーション、外観検査ソフトウェアパッケージともに年額400万円(製造1ラインに対する参考価格、条件により異なる)、ディープラーニング目視検査代替サービスは個別見積もり。