三井不動産は2月5日、1月30日にオープンした法人向けシェアオフィス「ワークスタイリング」の新たな旗艦拠点「ワークスタイリング日本橋三井タワー」(東京都中央区日本橋室町)をプレス向けに公開した。
ワークスタイリングは2017年4月にサービスを開始、2020年1月時点で会員企業数は500社、登録会員数は10万人を超えているという。サービスとしてはすべての拠点を利用できる多拠点シェアオフィス「SHARE」と、どこか1拠点の一部を占有スペースとして利用するレンタルオフィス「FLEX」の2つがある。いずれも法人向けだ。同社は、今年の3月に50拠点に拡大する予定だ(2月5日現在の拠点数は47)。
数としては「SHARE」が圧倒的だが、「FLEX」も底堅い需要があり今後も拡大する予定で、利用目的としてはオフィスを1区画借りるほどの広さは必要ない場合、新しいオフィスが決まるまでの一時利用、期間限定のプロジェクトでの利用、受付や会議スペースなどの共用スペースを利用したい場合などがあるという。
「ワークスタイリング日本橋三井タワー」は(以下、日本橋三井タワー)「SHARE」「FLEX」の併用施設で、「"JUNCTION" 人と集い、未来へつながる価値を生み出す新しい交差点。」をコンセプトに企業の共創支援に注力している。
三井不動産 ビルディング本部 ワークスタイル推進部 ワークスタイリンググループ 統括の細田知子氏は、「現在強化しているのが、ワークスタイリングを活用したオープンイノベーションの活動で、会員企業、会員個人のつながりを促進しています。それによって、企業では得られない出会いや学びの機会を創出し、企業のビジネスが飛躍すればいいと思っています」と語る。
それに向け、同社が日本橋三井タワーを含め大型拠点に配置しているのが「ビジネススタイリスト」で、パーソンやエキスパートマッチング、月に12-13回のイベント企画などを行い、企業のコラボレーションを促進している。
日本橋三井タワーでは、さまざまなミーティングスペースを設けているのも特徴だ。
同社が昨年の4-5月に行った会員向けの利用目的調査では、移動時間の削減が30.8%でトップ。以下、ミーティングが20.6%、集中して業務を行うためが18.3%、出張時の利用が8.8%と続く。
「アンケート調査では、利用目的としてミーティングが多く、商談、社内外のミーティング、ブレスト、ビデオ会議など、ワークスタイリングをアイデア創出の場として利用していただいています。そこで、日本橋三井タワーではミーティングにフォーカスしながら、施設づくりを行いました」(細田氏)
また、会員向けのテストマーケティングの場としても利用でき、味の素は飲食コーナーに新商品を置いているほか、NTTテクノクロスはマイクスピーカー、NTTドコモはマガジンの読み放題サービスを提供している。
三井不動産 ビルディング本部 ワークスタイル推進部 ワークスタイリンググループ 主事 中安理恵氏はワークスタイリングの需要について、「昨年は、オリンピックの1年前ということで7月にテレワークデイズが設定されましたが、それを機にワークスタイリングの利用を検討されたお客様も多く、その後も利用は増え続けています。ワークスタイリングは、東京や品川など立地のいい場所にあり集まりやすい場所のため、これまでであれば打ちあわせを先延ばししていた場合でも、ワークスタイリングを利用することですぐに会って話し合うことができますので、そういったニーズも出てきていると思います」と説明。
三井不動産 ビルディング本部 ワークスタイル推進部 ワークスタイリンググループ 統括の安藤佑治氏は、自社施設のメリットについて、「これまではカフェや喫茶店を打ち合わせで利用していましたが、そのようなオープンな場所ではなく、セキュアな場所を簡単に予約して商談として使えるものはこれまでなかったと思います。また、弊社の場合受付もあり、人が常駐していますので、お客様との待ち合わせスペースとして利用できるのもメリットだと思います」と語った。