ディー・エヌ・エー(DeNA)と日本交通ホールディングス(日本交通)は2月4日、タクシー配車アプリなどに関する事業を4月1日に統合することで合意した。これにより、日本のタクシー産業の進化を支え、将来的には他産業との連携や自動運転を含む革新的な技術の導入により、日本のMaaS(Mobility as a Service)領域における取り組みを加速していくという。
今回の統合では、DeNAが運営する配車アプリ「MOV」などの事業と、日本交通の子会社であるJapanTaxiが運営するタクシーアプリ「JapanTaxi」などの事業の統合を予定している。統合後は、JapanTaxiの共同筆頭株主は日本交通とDeNAとなり、社名も新たに(今後検討)新体制で事業を推進していく。
今回、両社は市場の変化などに一早く対応し、タクシー事業者と利用者により良いサービスを提供するとともに、MaaS領域における取り組みを加速するためには、事業を統合することで強固な経営体制を築くことが最善であるということを確信し、提携するに至った。
新体制では、JapanTaxiが有する全国をカバーする幅広い展開エリアと提携台数、タクシー専用ハードウェアなどタクシー会社に向けたサービス開発力をはじめとした強みと、MOV事業のAI、インターネットによる技術開発・サービスづくり、神奈川・東京・京阪神エリアにおける事業基盤という強みを活かし、経営統合を通じた経営資源の集約化で、事業の拡大へ投資を行うことにより、公共インフラであるタクシーを進化させていくという。
今回の統合により、配車可能な車両数は約10万台()を予定し、まずは利用者に対してタクシー配車アプリによる新たなサービスの提供を行い、タクシー事業者に対してはサービス向上を通じた経営基盤強化により、生産性向上、公共交通機関としての安定的な輸送確保に貢献するという。
また、新体制においてはサービスの拡大や更なる高度化を行うことで、高齢化や交通網の弱体化に伴った移動困難者だけではなく、さまざまな理由で自由に移動できなかった人が移動したいときに自由に移動できる世界を実現していく方針だ。
なお、新会社の代表取締役会長には日本交通ホールディングス 代表取締役の川鍋一郎氏、同社長はディー・エヌ・エー 常務執行役員 オートモーティブ事業本部長の中島宏氏が就任を予定し、株主比率はDeNA、日本交通ホールディングスともに38.17%、そのほかとなる。